伊那市の小坂樫男市長は5日、市内で開いた後援会会合で、伊那中央(伊那市)、昭和伊南総合(駒ケ根市)、辰野総合(辰野町)の公立3病院について「医師不足に対応するため、抵抗感もあるだろうが、再編を目指したい」と述べ、上伊那広域連合長として経営主体の一本化も視野に検討する考えを明らかにした。総務省が昨年12月にまとめた公立病院改革ガイドラインに沿った対応としている。
ガイドラインは、病院を設置する地方公共団体に、経営の効率化や再編・ネットワーク化などを定めた「公立病院改革プラン」を2008年度中に作るよう求めている。
上伊那の公立3病院では、昭和伊南総合で4月に産婦人科の常勤医が不在となるため3月からお産の扱いをやめるほか、辰野総合では昨年4月に小児科の常勤医が不在となるなど医師不足が顕在化。一方、伊那中央の常勤医は昨年10月時点で、05年4月に比べ9増の58人となっている。
小坂市長は取材に対し、上伊那8市町村長や3病院関係者らによる検討会の設置を呼びかける考えを示した。経営主体の一本化で、3病院で医師の配置を融通し合ったり、診療科を分担したりできる利点があると説明。患者が3病院間を往来できるようバス運行も検討したいとした。
また、小坂市長は、医師不足問題や広域連合の新ごみ処理施設の用地選定などの課題に取り組むため「最後の任期を全うして、しっかりとやりたい」と述べた。