2008年01月05日(土)
新年
あけましておめでとうございます。
おかげさまで、昨年はとても充実した仕事をさせてもらいました。
1月の『エア・ギア』に始まり、3月は遊座旗揚げ公演『いとしの儚』、
5月『エア・ギア リミックス』、6月『完売御礼』、7月『サクラ大戦・紐育』、
8月『天河伝説殺人事件』、そして12月は扉座『ラブ×3 R36』。
それから、9月には『ドリル魂』に緊急出演! なんてこともありました。
有意義で楽しい一年でした。
2008年もお客さんに喜んでもらえる良い舞台を作るべく、楽しみながら頑張ります!
今年も去年以上に様々な舞台をやらせてもらえそうです。
まずは2月の扉座研究所公演『ラブラブラブ』です。
実に5年ぶりの参加です。
前にも書きましたが、この研究所の卒業公演はオレにとって演出家としての原点のようなものです。
若い奴らと極寒の稽古場で、暑苦しい稽古を重ねたいと思います。
3月は「遊座」の第2回公演があります。
今回は戦後のジャズのお話です。
もちろん生演奏ありです。
今までにやったことのない感じの芝居なので、とても楽しみです。
4月はまだ発表できないけど、円形劇場でやります。
初めてお付き合いする人たちとの公演になりそうです。
円形、初演出です.
6月は昨年に続きD-BOYSステージの第2弾。
一気にステップアップして、今回は青山劇場というとても大きな場所でやらせてもらえるようです。
オレにとって青山劇場は2年ぶりですが、数ある劇場の中でも、大好きな劇場なので、これもすごく楽しみです。
8月は恒例の『サクラ大戦 紐育』をやります。
オレにとって特別なレビューショウ。
夢のある舞台を作りたいと思います。
秋以降はまだ発表できない公演が控えています。
とにかく一本一本の芝居を大切に、
何よりも自分が納得できる仕事をしていきたいと思います。
どうか本年もよろしくお願いします。
Posted by 管理者 at 20時38分 個別ページ表示
2007年12月21日(金)
ラブ
生まれて初めて演出した芝居は、扉座若手公演の『まほうつかいのでし』だった。
あれは確か2000年だったと思うので、もう7年前か。
役者のオレがどういう経緯で演出をすることになったのか、
実は記憶が曖昧で今となってははっきり分からない。
研究所の卒業公演『LOVE×3』での仕事を横内に評価されて、
若手公演をやってみないかと言われたのではなかったか。
若手の活躍の場を作ろうと思って自分から提案した様な気もする。
どちらにせよ、そのときは演出家になりたいなんて気持ちはまったくなかった。
『まほでし』は演出家と言うより、劇団の番頭としての仕事だと思っていた。
でも、やってみたら思いのほか演出という仕事は楽しかった。
ひょっとしたらオレのやるべき仕事は役者ではなく演出なのではないかと、
ぼんやりだけど、そう思うようになった。
だから、2002年に本公演の演出を任されることになったときは本当に嬉しかった。
以来、年に一本の劇団公演をやらせてもらっている。
横内戯曲だけでなく、大森寿美男、鈴木哲也、蓬莱竜太という魅力的な作家との刺激的な出会いがあった。
なんて贅沢な環境で演出家として育ててもらってきたのかと、今更ながら驚いてしまう。
贅沢と言えば、今回の公演だ。
これほどの作家と同時に仕事をさせてもらえる人間が、演劇界のどこにいるだろうか。
本当に楽しかったなあ。
いっぱい悩んだけど、たまらなく楽しかったなあ。
役者やお客さんに申し訳ないけど、オレが一番楽しませてもらったと思う。
作家のみなさんに感謝。
劇団に感謝。
そして、なにより楽しかったのが、劇団の古株と一緒に仕事ができたことだ。
前にも書いたが、伴美奈子とやるのは初めてだ。
なんとなくオレが演出するときは若手中心の配役が多かったので、これだけベテランが揃う公演はやったことがない。
岡森、杉山、有馬、中原、伴。
もう20年来の付き合いだ。
奴らが勢ぞろいした芝居を演出することができて、なんというか、やっと扉座の演出家になれたような気がする。
遠慮しないで言いたいことを言うことができた。
同じ役者だったオレを彼らが信頼してくれたことが本当に嬉しかった。
岩本達郎と鈴木里沙もよかった。
いろんな人が褒めてくれていた。
若い奴が飛躍的に成長する瞬間を目撃したような気がする。
やっと、役者になってきたと思う。
台本と共演者の力が彼らを引き上げてくれた。
そして、麻生かほ里さんと井之上隆志さん。
この客演のお二人にはもう感謝する言葉が見当たらない。
良い戯曲と良い役者がいれば、演出家がやるべきことはほとんどないのだ。
二人とも、引き出しの多い、豊かな役者さんだ。
プロとしての仕事を見せつけてくれた。
一緒に芝居をやれて本当に楽しかった。
こんなにいい役者を客演として招くことが出来たのが、オレの今回の自慢だな。
みなさん、今年も本当にお世話になりました。
来年は扉座での仕事がないのですが、次にやらせてもらえるときまでにもっともっと力をつけたいと思っています。
またお会いしましょう。
ほんとうにありがとうございました。
Posted by 管理者 at 17時33分 個別ページ表示
ありがとうございました!
終わりました。
ご来場のみなさま、ありがとうございました。
毎日会場が混雑して本当に申し訳ありませんでした。
それから、チケットの取れなかったみなさん、ごめんなさい。
みなさんのお蔭で、充実の公演でした。
またやりたいです。
ぜひ再演したいと思っています。
本当にありがとうございました。
Posted by 管理者 at 15時42分 個別ページ表示
2007年12月20日(木)
本日千秋楽を迎えます。
毎日劇場に通い、自分の演出した作品を観て、終演後は飲み屋で芝居仲間や友人知人と語り合う。
ああ、なんという至福の毎日!
でもそれも今日で終わりなのだ。
千秋楽は切ないけど、楽しみな日でもある。
次のステージがないから、もう芝居のチェックをする必要がない。
ダメをとる必要もない。
穏やかな気持ちで芝居を楽しむことの出来る唯一の日なのです。
今回、僕らの予想をはるかに超えるお客様に来ていただき、会場がとても混雑いたしました。
申し訳ありません。
窮屈な中、御覧頂いたみなさま、本当にありがとうございました。
みなさまのおかげで、熱気と活気あふれる公演になりました。
残り1ステージ、全力を尽くして頑張りたいと思います。(といっても、もはや私がやることは何もないのですが…)
Posted by 管理者 at 12時44分 個別ページ表示
2007年12月12日(水)
シアタートップス
今日からシアタートップスに乗り込んだのだ。
スタッフと若手は早朝7時から劇場入り。
本当にご苦労様。
オレは社長出勤で14時くらいに顔を出した。
今回はご存知のように、8本のオムニバス。
だから、それぞれに合わせてセットを組み替えなければならない。
そのため移動可能な、とてもシンプルな舞台装置になっている。
だから、いつもと比べて大道具の立て込みは短時間で終わる。
俺が出勤した頃にはもう道具は立派に出来上がっていた。
こんなに早く装置が完成するのは今までにあまり経験がない。
今回のこの道具、オレ的にはかなりご機嫌な舞台装置なのだ。
こういうシンプルでフレキシブルな装置こそ、デザイナーのセンスが問われると言うもの。
さすが、金井勇一郎。
お洒落で機能性に優れた舞台美術を生み出してくれた。
絵作りの意欲を掻き立ててくれる。
芝居の中身だけでなく、演目ごとに変わる舞台美術も楽しんでいただけたらと思う。
で、演目ごとに空間を変化させるために、この舞台装置を縦横無尽に動かしながら外枠を作り上げるのだが、
その中身となる小道具のセッティングがとても大変なのだ。
全8本の芝居ごとに、全く異なる机や椅子やベッドやらを配置しなくてはならない。
それもお客さんをお待たせすることなく、手品のように変化させたいと思っている。
大きな劇場ならどうってこと無いことなのだが、
このシアタートップスには、舞台袖というものが全くないため、
小道具を準備しておくスペースを確保するのが大変なのだ。
そのためにスタッフが相当な苦労をして、信じられないくらいコンパクトに小道具を収納している。
それはそれは、見事な収め方なのだ。
舞台裏をお見せできないのが本当に残念だ。
しかも大変なのは道具の転換だけじゃない。
衣裳の着替えも、オムニバスならではの忙しさなのだ。
8本全てに出ている役者はいないが、
ほとんどの出演者は5役くらい演じている。
だからみんなひっきりなしに着替えたりメイクを変えたりしている。
しかも、楽屋が舞台の真下にあるので、急な梯子を上り下りして、小さな切り穴から出入りしなくてはならない。
そんな笑っちゃうくらい大変な状況なのだ。
でも、こういう困難な状況は逆に燃えると言うか、楽しいというか、やってやろうじゃねえかという気にさせる。
それはオレだけじゃなくて、スタッフも出演者もみんな同じ。
今日も舞台装置が早く組み上がった分、時間をかけて転換稽古を繰り返した。
明日も本番前にみっちり稽古を重ねる。
芝居の中身ももちろん大切だが、今回は芝居と芝居のつなぎがとても大事。
厚木ではとてもうまく行ったけど、今回は比べ物にならないほど狭い劇場。
だけど、こういう空間だからこそ、うまく決まったら相当カッコイイと思う。
明日の本番が楽しみでたまらない。
ああ、そうだ!
茅野からとても大事なお願いです。
いつもうちの芝居は、公演日程の終盤になってから大混雑します。
今回はおそらく、後半のチケットはなくなってしまうのではないかと思います。
前半(特に13、14日)はまだまだ余裕があるので、興味のある方は早めにお越しいただけると、本当に嬉しいです。
とても小さな劇場なので、補助席にも限りがあります。
いつものように、公演終盤になって、せっかく来てくださったお客様をお返しするのは残念でなりません。
どうか、お早めにお越しください。
切に切にお願いいたします。
Posted by 管理者 at 00時05分 個別ページ表示
2007年12月10日(月)
厚木公演
厚木から帰ってきた。
我々扉座にとって、厚木というホームタウンを持っていることがどれほど贅沢なことか。
本当にしみじみと実感した5日間だった。
公演は2日だけなのに、舞台での照明作りやテクニカルな稽古にたっぷり3日も使うことが出来る。
なんと贅沢なことか。
稽古場で、どんなに時間をかけて緻密な稽古を重ねても、
実際に舞台に上がらなければできないこと、わからないことが沢山ある。
劇場費が全体の予算に占める割合は大きいので、通常はお客を入れられない舞台稽古にあまり日数を割くことが出来ないのだが、
厚木シアタープロジェクト(A.T.P)のお蔭で、こうしてしっかり作り上げることが出来る。
本当にありがたいです。
そして、本番のステージが始まれば、いつも暖かいお客さんに迎えてもらえる。
お客さんのお芝居を楽しもうという気持ちが、役者の力を引き出してくれる。
ひとつの演目が終わるごとに拍手が来たのには驚いた。
素晴らしいお客さんに乗せられて、とても良い公演になったと思う。
厚木のみなさん、お世話になりました。
ありがとうございました。
そしてこれからもよろしくお願いします。
まだ、芝居について細かく語る余裕はないのだが、
力のある作家たちの作品がそうさせているのだと思うけど、役者達が今までにない演技を見せてくれていると思う。
大人の恋愛が今回のテーマだが、それに相応しい大人の芝居を見せてくれている。
俺たちの新しい可能性を示す公演になるんじゃないだろうか。
かくいうオレ自身が、作家のことばに刺激を受け、新しい力を引き出してもらっている気がする。
それから俺の敬愛する二人の役者、井之上隆志さんと麻生かほ里さん。
俺が言うまでもなく、素晴らしい役者さんなのだが、彼らとの稽古は本当に刺激的で楽しかった。
お二人とも、技も色気も愛嬌もたっぷり備えた、素敵な俳優さんだ。
客演にお呼びできて本当に良かった。
是非みなさんに観ていただきたい。
今日はこれから来年の『遊座』のプレ稽古。
ジャズバンドの話しなので、スタジオでバンド練習をするのだ。
そしてこっちの稽古でも井之上隆志さんと一緒なのだ。
井之上さんは今年に続き、来年も『遊座』に出てもらう。
担当はドラム。
本当にいろんなことができる人なんだなあ。
Posted by 管理者 at 15時18分 個別ページ表示
2007年12月02日(日)
ラストスパート
稽古もいつの間にか、残すところ2日となった。
このところ更新が滞ってしまったので、
手短に近況を。
まあ、近況といっても毎日ひたすら稽古をしているだけなのだが。
俺は自他共に認める稽古好きだが、それでもこれほど休まずに長時間稽古をしているのは初めてかもしれない。
毎日10時間くらいぶっ通しで稽古をしている。
休んでいる余裕がないのもあるけど、時間が経つのも早いんだ。
それはきっと作品が面白いからだと思う。
役者も間違いなく大変だと思うけど、疲れている暇もないようだ。集中力を切らさずに、稽古を重ねている。
こんな稽古場は久しぶりだ。
愉快な公演になりそうな手応えを感じている。
ではみなさん、たぶん、おそらく、厚木の幕が開くまでこのブログを書く余裕がないと思います。
でもその分、いい舞台になるよう、残り少ない稽古を目一杯役者と共に頑張ろうと思います。
劇場でみなさんにお披露目する日が楽しみです。
Posted by 管理者 at 23時49分 個別ページ表示
2007年11月25日(日)
コウサギのコンフィ
芝居を作っていると、いつも必ずリアリティーという壁にぶち当たる。
当たり前のことだけど、自分の知らない世界をあたかも知ってるかのように明確に作ることは出来ない。
例えば、去年やった『ユタカの月』。
あの芝居は植木職人の家族の話だった。
植木職人なんてまじまじと見たことがない。具体的にどんな作業をしているのか、どのような佇まいなのか、なんとなく想像することしか出来なくて困った。
そんなときは実際に体験してしまうのがてっとり早い。
なので、役者と一緒に植木職人の仕事場を見学させてもらった。
もちろん一日見学しただけで、どれほどのリアリティーをもてるか分からないが、明らかに見た前と後では芝居が変わった。
このようにちょっと頑張れば体験できることならまだいいが、太平洋戦争とか、幕末とか、ロシア革命とか、過去の話や外国の物語などになると、もう出来るだけ本を読んだり、映画や写真を見たりして、自分の想像力を肉厚にするしかない。
そこで、今回のお芝居である。
ほぼ全作品が出揃って、稽古は順調に進んでいる。
どれも作家の色やスタイルが練りこまれている見事な作品ばかりだ。
毎日の稽古も本当にやりがいがある。
でも、その作品ごとの状況設定や時代背景、登場人物の描写や相互関係などにリアリティーを持たせることに、まだまだ苦労をしている。
いくら短編とはいえ、演出プランをたてるための手間は、長編となんら変わらない。
つまり短編が八本ある今回は、いつもの八倍、えらいこっちゃなのである。
それは役者も同じで、みんな稽古が終わるとぐったりしている。
中でもリアリティーという面でかなり苦戦しているのは大森美香さんの作品だ。
美香さんが書いてくださった芝居はフランス料理店が舞台になっている。
それもそこそこお洒落でお高めな店だと思う。
その店の客や店員をうちの役者が演じているのだが、これがもう、絶望的に嘘くさいのだ。
だって、みんなフランス料理なんか行ったことがないのだもの。
彼らと稽古をしていると、銀座のフランス料理店がなぜか錦糸町の居酒屋に見えてくる。
かく言う俺も、本格フレンチなど数えるほどしか行ったことがない。
店員の立ち居振る舞いや服装、雰囲気や内装、テーブルマナーなど、ほとんどわかりゃあしない。
セリフの中にコウサギのコンフィというものが出てくるのだが、多分それが料理の名前であるのはなんとなく分かるんだけど、頭の中に全く絵が出てこない。
参った。参ったぞ。これは植木屋のときのように実際に見に行くしかないぞ。
そう思い、作曲家の田中公平さんにお電話をした。
田中公平さんのことは以前にも書いたが、折に触れ、こんな俺に飛びきり美味い料理やワインをご馳走してくださる、ありがたく奇特な方なのだ。
芝居のために本格フレンチを所望したい。
俺のこんな図々しいお願いを公平さんは快く叶えてくださった。
連れて行ってもらったのは、日本を代表するグランメゾン『アピシウス』。
グランメゾンとは、フランス料理店の中でも特に高級なお店のことだと思う。たぶん。
いつもは知る人ぞ知るといった、隠れ家的なお店に連れて行ってもらうことが多いのだが、今回は本格フレンチの雰囲気を知りたいという趣旨を汲んで、この店をセレクトしてくださったようだ。
(メートル・ドテルの永井さん。メートル・ドテルとはフロアの責任者みたいなものだと思う。)
調度品や店の雰囲気が想像していた以上に重厚で驚いた。
メインダイニングの壁にはシャガールやセザンヌやユトリロが飾られていて、さながら美術館のようだ。
けれど店内の重厚さに比べてお店の方々のサービスは、こちらをとてもゆったりとした気持ちにさせてくれる。
なんだろ、品が良くて慇懃なんだけど、とてもリラックスできるんだ。
これがホスピタリティーというものなのだろう。
うん。これは芝居の参考になる。
料理は最近流行りの現代風フランス料理ではなく、重厚でクラシカルな料理だった。
旨かったなあ。
はっきり言って今まで食べたフランス料理の中で一、二を争うくらい美味しかった。
思わず、なんでこんなに美味しいのに星がついていないんですか?と、失礼にも聞いてしまった。
ちょうどミシュランガイドの発売日前日だったので、この店に星がついていないのを知っていたのだ。
その質問にお店の方が答えてくださったのだが、『アピシウス』は地下で営業している店なので、ミシュランの選考外なのだそうだ。
本国のフランスでも地下にある店は選考リストから外されているようだ。
フランス料理店以外は地下でも選考されている。
なぜなのかは知らない。
ついでにいうと、ミシュラン東京と名乗っているのに、23区のうち、港区や渋谷区とか東京の中心部にある9区しか調査していないらしいですな。
錦糸町の名店も調べて欲しかったなあ。
(うにとキャビアの野菜クリームムース コンソメゼリー固め)
(こんな美味しいジビエは初めて。青首鴨のなんとか。)
この『アピシウス』は本当に素晴らしいお店だった。
なんというか、グランメゾンというものを身を持って体験しましたです。
贅沢で、非日常的な夜だったなあ。
ああ、また行きたい。
しかし、この夜はこれだけでは終わらなかったのだ。
日比谷の『アピシウス』を出たあと、次は銀座の『アルバス』というフランス料理店に向かったのだった。
前にも書いたが、ここは日頃、田中公平さんが贔屓にしているお店で、俺もちょくちょくお供させてもらっている。
ここのオーナーは仲田さんという日本を代表するソムリエ。
だからワインのリストが素晴らしい。そして料理もすこぶる美味しい。
このお店にミシュランの星がついたので、お花を持ってお祝いに駆けつけたのだ。
そこで食後のお酒とシガーを頂いた。
なんと贅沢な夜!
現実的にはミシュランで取り上げられているお店とはほとんど縁のない生活をしている俺だけど、こうして知っているお店に星がついたのは、やっぱり嬉しいものなのだなあ。
そんなわけで、田中公平さんのお蔭で、すこぶる有意義で貴重な体験が出来たのであった。
これできっと、芝居も劇的によくなる。はず。
隣の方が作曲家の田中公平さん。
なんか俺、目一杯気取っていやがるなあ。
Posted by 管理者 at 17時15分 個別ページ表示
2007年11月20日(火)
宿酔
滅多に二日酔いにはならない。
と言うより、自制心が働いて、次の日に残るような豪快な飲み方が出来ない。
だけど今朝は珍しく、昨夜摂取したアルコールの酸化物であるアセトアルデヒドが血液中に大量に滞留していたようだ。
ひどい吐き気で目が覚めた。
頭もズキズキする。
この二日酔いの原因はマキノノゾミさんだ。
昨日は新宿の飲み屋で岡森とマキノさんの対談があった。
そこへ稽古を終えてから、打ち合わせのために合流したんだ。
久々にお会いするマキノさんとの会話は、やはりたまらなく楽しくて、ついつい酒が進んでしまう。
で、日付も変わった頃お開きになったのだが、もう一軒行こうとマキノさんが誘ってくれた。
酒の飲めない岡森はとっくに帰っていた。
マジですか!
差しですか!
マキノさんと二人きりで飲むのは10年ぶりくらいじゃないですか?
嬉しくて、馴染みのバーへ向かうマキノさんの後を犬のように尻尾を激しく振りながら付いて行く俺なのであった。
俺はマキノさんが大好きなんだよなあ。
これほどてらいもなく好きと言える人は、他にはあまりいないなあ。
これほど飲んで語らうことが楽しい人は、他にはあまりいないなあ。
楽しくて嬉しい夜だった。
でも本当に飲みすぎちゃったんだね。
会話の内容を全く覚えていないんだ。
それが少し残念。
Posted by 管理者 at 00時01分 個別ページ表示
2007年11月17日(土)
重圧を満喫する心。
どのように書いたら、今オレが味わっている重圧を伝えられるだろうか。
今回の企画は座長からの提案だった。
研究生公演でやっている『ラブラブラブ』を、芝居の出来る大人の役者でやったら面白いのではないか。
そして、どうせやるなら、演劇界を代表するような作家さんに作品を提供してもらってはどうだろうか、という提案だった。
その企画はオレにとって夢のように魅力的な話だったけれど、
当初はこれほど豪華な作家陣が、まさか本当に勢揃いするとは思ってもいなかった。
今回参加してくださった作家は、演劇に携わる人間なら一度はご一緒したいと願う方々ばかりなのだ。
そんなすごい作家が一堂に会してしまった。
そしてその作家が書いた作品の演出をオレごときがやらせてもらう。
びびるなと言うほうが酷であろう。
こんなことを書いていると、ネームバリューや権威に位負けしているように思われるかもしれないが、そうじゃないんだ。
この作家さんたちが、今回扉座のために提供してくれている作品が本当にすごいんだ。
才能ある作家が渾身の力を込めて書き下ろしてくださっている。
それぞれの作品に世界観があり、文体があり、思想がある。
その作品と向き合っていると、オレなんかじゃいくら背伸びしても追いつかないんじゃないかと、時々くじけそうになる。
でも、芝居作りは一人でやるものじゃない。
オレの周りには一緒に芝居を作る役者やスタッフがいる。
みんなの力を結集して、こんなに素敵な作品を提供してくれた作家さんに恥じない仕事をオレなりにしなければと思っている。
そしてこんな得難い現場を作ってくれた座長に感謝している。
などと、たまには殊勝なことを書いてみる。
Posted by 管理者 at 22時18分 個別ページ表示
2007年11月08日(木)
悩み。
そんなわけで、『ラブラブラブR36』の稽古が始まった。
なんだか、ものすごく久しぶりに劇団に戻った気がする。
去年の『ユタカの月』以来だから、実に1年半振りの我が家だ。
やっぱり我が家はいいね。落ち着くよね。
と、言いたいところだけれど…
実はね、正直に言うとね、
どうも我が家は居心地が悪いのさ。
オレ、もう劇団に22年いるんだけど、
演出を始めてからまだ、たかだか6年くらいで、
うちのメンバーとは、役者仲間としての付き合いのほうがはるかに長いのだよ。
だからね、うちの役者さんたちに演出をつけるのが、どうも居心地が悪いのさ。
余所ではいっぱしの演出家ぶっているんだけど、
うちではどうもやりにくい。
言うなれば、ハナタレ小僧の時代を知っている幼馴染ばかりなんだよね。
なんだか、ほんと、やりにくいよ。
でもまあ、そんな状況もそれなりに楽しかったりするんだけど…。
そう言えば稽古に入ってから、はたと気付いたんだけど、伴美奈子と一緒にやるのは今回が初めてだった。
今まで何十回も共演してきたのに、演出家として彼女と仕事をしたことがない。
稽古を通してオレは彼女にどのように関わり、一ヵ月後、彼女は舞台上でどんな芝居をしているのだろう。
なんだか楽しみだな。
それからついでに言うと、まだ六角とやったことがない。
劇団ってなんだか面白いな。
明日から麻生かほ里さんが稽古に本格参戦する。
楽しみだ。
胸が高鳴る。
Posted by 管理者 at 00時31分 個別ページ表示
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