道は、道外の医師に道内の医療施設の見学や診察、生活を実際に体験してもらう「道地域医療視察・体験事業」をPRしようと、パンフレット「医師版ちょっと暮らし」を制作した。昨年7月に始めた事業だが、PR不足もあって受け入れ例は現在ゼロ。道地域医師確保推進室は「魅力を知ってもらい、長期、短期の移住につなげたい」と期待する。
同事業は、退職後の道内移住や道内出身でUターンを希望する医師を2泊3日で道内に招き、病院で実際に診療を体験してもらう。道は往復の交通費と日当、2泊分の宿泊費を支給する。滞在を延長する場合、費用を負担する病院もある。
道外の大学病院にちらしを配布し、道のホームページでも紹介した。来年度の滞在希望は数件あるものの、「年度途中に開始した事業でもあり、今年の滞在を希望する医師の都合がつかなかった」(同推進室)という。
パンフレットはA4判カラー21ページ。短期滞在を受け入れる道内28病院の診療科目から、周辺のレジャーまで写真入りで紹介している。同推進室は「月に数回北海道で診療したい、夏場だけ知床で暮らしたいといった声でもあれば」と話している。【大谷津統一】
毎日新聞 2008年1月5日