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01/04-13:57--最新工法で土塁再復元　鬼ノ城で工事３月完成予定　

　総社市奥坂の国指定史跡「鬼城山」（通称・鬼ノ城）で、城壁の土塁部分の再復元工事が進められている。文化財工事としては珍しく、枠組みに鋼製フレーム、充てん材に発泡ウレタンを使用。完成は３月の予定で、桃太郎伝説の残る古代の山城が、最新の工法でよみがえろうとしている。 　工事場所は、西門東側の高石垣から第０水門にかけての区間約２５メートル。何層も土を突き固める「版築（はんちく）」で建築された約６メートルの城壁が連なる。０３年末に復元工事が一度行われたが、０４年５月に長雨の影響で土砂が崩落したため、復旧が急がれていた。 　現場は下層ほど狭くなる逆三角形の急斜面のため、版築による再復元は断念。軽さや排水、保存性などを考慮し、鋼製フレームによる工法が採用された。 　築城当初の土塁に今も残る柱の穴（直径約５０センチ）を利用し、フレーム１０本（約１０トン）を埋設。組み上がった枠組みの中に発泡ウレタンを充てんさせ、その表面約２０センチのみを版築によって固める。セメント入りのため、通常の土よりも保存性が高い。 　フレームの組み立ては０７年内にほぼ完了。３月までには、吉備路一帯を見渡せる西門から約１４０メートルにわたって、壮大な城壁がお目見えする予定。 　総社市教委文化課では「頑丈さが要求される上、築城時の遺構も保存する必要がある難しい工事。城壁が立体的に復元される様子をぜひ見てもらいたい」と話している。 　鬼城山は６〜７世紀の建築と推定される山城。標高約４００メートルの高さに、全長約２・８キロの城壁を持つ。日本の古代山城では初めて敷石が発見されるなど歴史的価値は高く、１９８６年に国指定史跡となっている。