2008年01月04日 更新
【駅伝】黄金の「寄せ集め軍団」だ!関東学連選抜、奇跡の4位
黄金の「寄せ集め軍団」。デザインも色も違うユニホームで4位と大健闘(撮影・今野顕)
タスキをつなぐ“個の力”。関東学連選抜のアンカー、青学大・横田がガッツポーズでゴール(撮影・小松洋)
第84回東京箱根間往復大学駅伝復路(3日、神奈川・箱根町芦ノ湖駐車場入口−東京・大手町、5区間109.9キロ)「寄せ集め軍団」が、ミラクルを起こした。箱根予選会の落選校から11大学16人の精鋭を集めた関東学連選抜が、過去最高の4位でゴール。デザインも色も異なるユニホームで走った選手たちが歓喜の輪をつくった。
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「大満足。お祭りではなく真剣勝負をすればこのくらいはできる」
初めて指揮を執った予選会10位の青学大・原晋監督(40)は、してやったりの表情。最下位争いの常連チームが、今大会は往路4位の快走をみせると、復路も6区、8区で区間2位の力走。予選会の上位10人の合計タイムが1位通過の中央学院大よりも3分30秒も速く、粒がそろったことが勝因。そして結束力もかたかった。
昨年11月10日の初顔合わせで、選手は「勝ちたい」と口をそろえた。11校の頭文字のアルファベットを集めて「JKH SMART」とチームに愛称もつけた。ちゃんと意味もある。J=日本、K=関東、H=箱根、SMART=カッコいい。合同練習は試走会を3度、2泊3日の合宿を1度だけ。あとは選手同士でメールで情報交換し、ハンディを補った。
9区の立大・中村嘉孝(3年)は同大40年ぶりとなる箱根路に感激した表情。グリーン地に「R」のユニホームに大きな歓声が飛んだ。「応援がすごかった。立教ゾーンもあって笑っちゃいました」。福祉の勉強を志し、立大に入学。陸上部入部は1年の6月と遅かった。箱根駅伝は意識したこともない。練習も選手同士でメニューを考えるアットホームな雰囲気で行っている。それでも、総合4位。「奇跡です」と目を丸くした。
原監督は「がんばれば、東大だって箱根を走れる」と力を込めた。学連選抜がシード圏内の総合10位以内に入り、来年の予選会からの出場校が1枠増えて10校になる。チームを超えた個人の力。ランナー1人、ひとりの夢が広がる。
(浅井武)
■関東学生連盟選抜
79回大会以来、6度目の出場(80回大会は日本学連選抜)。10月の箱根駅伝予選会で不出場になった大学から、16人が選ばれる。各大学のトップの成績を残した選手から11人、残りの5人は各大学で2番目の選手から選考される。同一大学から選ばれるのは2人まで。記録はこれまで選手個人の区間記録だけ認められていたが、前回大会から総合成績も正式順位として認められるようになった。前回大会の成績は最下位。