大阪府東大阪市で交通事故に遭った男性(49)が府内五カ所の救命救急センターに搬送できずに死亡した問題で、事故現場に最も近い同市の府立中河内救命救急センターが、救急要請を断った数分後なら、受け入れの可能性があったことが四日、分かった。
通報を受けた大阪府大東市消防本部などによると、救急隊員が同センターに電話した二日午後十時四十四分ごろには、脳挫傷の患者を治療中で、別の肝不全の患者が運ばれる途中だったため、搬送を断られた。
救急隊員は現場で待機したまま次々に近隣の四つのセンターに電話したが、見通しが立たず、午後十時五十三分ごろに再度、中河内救命救急センターに電話。この時は二人の治療が続いており、再び断られた。当直医は三人で、同時に診察可能な重度の患者は二人が限界という。
しかし、同センターによると、二分後の十時五十五分には、治療に区切りがついて救急処置室から集中治療室(ICU)に患者の一人を移したため、直後から処置室が空いた。
センターは「二度目の要請が処置室が空いた後なら、受け入れの可能性がなかったとは言えない」と話している。
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