水の活性とは何か   2007.09.20


昨19日、大阪厚生年金会館で、遠赤外線応用研究会のセミナーが開かれた。

私も講演者として招かれ、「ニセ科学批判者を批判する」というテーマで50分の講演をした。内容は、このサイトの「ニセ科学批判者を批判する」と「磁気活水の実相」とを組み合わせたものである。


私はこれまで、誰の支援も同調もない中で、このサイトで自分の考えを述べ、社会に訴えてきたが、孤立無援ということではないようだ。
大学の公式サイトで、問答無用で他者を実名で批判し、相手の名誉を毀損しようが、実害が発生しようが、オレたちの勝手だという、ごく一部の大学教員の粗暴なふるまいに対する批判の声は、いまや巷に満ちているようである。

今回の、私がお茶の水女子大学を提訴した件で、お茶の水女子大学は提訴されたことを口外するなと富永教授に職務命令を出したそうだ。ごたいそうなことだが、つまりは天羽優子氏をはずせ、ということだ。流れは出来つつある。


他の講演者は、国際波動研究所の平沢幸治氏と、福井工業大学の浅田敏勝教授だった。

平沢氏の話は、まぁ、良くわからない。波動測定器というものは、被測定者の「直観力」を測っているようなところがあって、自分たちでもよく分からないのだそうだ。それでもそこにはなにごとかがあるのであり、そしてそれは現代科学としてのデータにはならないが、それは科学を超えるものであり、だから我々はニセ科学批判者などいくら騒いでいても、いっこうに意に介さないのだ、と意気軒昂だった。
彼はひとの病気を治す力があり、ある日突然その力を授かってしまい、人生が変わったそうだ。今は、いくつかの病院を定期的に回って、多くの医者たちの病気を治しているそうである。医者は疲れ果てているらしい。

浅田敏勝教授は、流体工学のベテランで、クリーンルーム設計の第一人者だそうで、半導体製造の現場を長く歩き、世界的企業で江崎玲於奈博士と一緒に働いていたそうで、現在は福井工業大学で研究と教育を熱心にやっておられる。
彼はマイナスイオンの測定法のJIS規格についてさっさと述べたあと、時間を割いて、私の講演の中で挙げた、「ウェブサイトでニセ科学批判をしている数人の大学教員たち」のことに言及し、「彼らはまともな論文を書いていない、つまりまともな研究をしていない」と正面からばっさりと切って捨てたものである。「安井くんも」と言っていた。

まぁ、これが、世の識者たちの見方、ということだろう。



さて今日の本題だが、浅田教授の話の中で非常に興味深いことがあった。

彼が、世界的な大手半導体メーカーで、湖水地域のある半導体製造工場の主任として働いていたときの経験である。
彼は、半導体製造ラインの水を「ゼロエミッション」にする、という大きな目標をたてた。完全リサイクルを達成して、水を一滴も工場外に排出しないという構想である。そして、濾過器やタンクやバルブやポンプや配管など、あらゆる機器を検討し選別して、水処理では日本のトップ企業の最高の設備を導入し、完全循環型の半導体洗浄ラインを作った。

そして工場は稼働を始め、数ヶ月は排水することなく同じ水を循環して使い続けて、問題は起こらなかった。そのことで彼は県知事から表彰を受けた。

そしていよいよ8インチのシリコンウェハーの生産が始まってから、突然問題が生じたのである。

それまでは、まさに鏡のように磨き上げられ洗浄されて、ひかり輝いていたウエハー表面が、突然曇りだしたのである。いくら洗浄しても鏡面にならない。彼は、水の成分など、測定すべき項目はすべて測定して、それらの数値が操業開始時と少しも変わっていないことを確認したのだが、そのまったく同じ水で、洗浄効果が上がらなくなってしまったのである。

そして窮余の一策として、新しい地下水をくみ上げて、循環ラインに足してみた。

すると、鏡面の輝きが戻ったのである。

その後いろいろと検討した結果、循環水100に対して、新しい地下水を100混ぜる、1対1にすることで、問題は起こらなくなった。
しかしそのことによって、工場全体として、汲み上げた地下水の3割を工場外に放出せざるを得なくなり、彼は表彰してくれた県知事に謝罪して、排水許可をもらったのであった。
もっとも、県知事は、ちょうど農業用水が不足しており、その排水は金魚が住める水だったから、二つ返事で了解してくれたそうではあるが。

このことから浅田教授は、水にはいのちがある、寿命がある、生きた水と死んだ水がある、ということを悟ったのである。

私は彼に質問した。

吉岡 「その死んだ水は、放水されて海まで流れ、海で蒸発して、雲となり、雨となって降り、地下にしみこんで、また汲み上げられる、という自然の循環の中で、ふたたび蘇るのでしょうか」

浅田 「そういうことだと思います」

吉岡 「その死んだ水を磁場に通したことはありますか?」

浅田 「いろいろやったけど、磁気はやらなかったねぇ」


たいへん興味深い話である。

私は、6年前に磁気活水に出会って、水には「構造」がある、成分だけでは決まらない何らかの活性が、「構造」によってもたらされている可能性がある、磁気は水の構造を変えるのかも知れない、と考えるようになった。

もし、水が磁気によって変わるなら、その半導体工場の水も磁気で蘇る可能性がある。
そうすれば、その工場でゼロエミッションが実現することになる。

浅田教授はそれをまだ試していないという。試してみる価値はある。



こういうことに、気づき、思いをめぐらせ、素直に実験し、確認する。
これが、科学であり、科学的な生き方であり、科学的な態度、ふるまいというものである。

読者諸君、諸君はそろそろ気づかなければならない。
水の機能は成分だけで決まる。
成分が変わらないのに水が変わることなどあり得ない。
水道管のまわりに磁石をつけても何も変わらない。
磁気で水が変わるという者はすべて詐欺師である。

このような妄説の愚かさに。
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