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ネット仕手筋が暗躍 掲示板書き込みで株価操作 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:ネット社会
インターネットの掲示板などを使って不正に株価を操作する「ネット仕手筋」が証券市場で暗躍している。バブル経済の崩壊とともに姿を消していったプロの仕手筋に代わり、一般の個人投資家がネットを武器に「闇勢力」と化しているという。マーケット犯罪の根絶に取り組む証券取引等監視委員会などは、こうしたネット仕手筋の動向に警戒を強めている。
■株価10倍に
2年前の冬、東京に本社を置くある中堅商社の株価がわずか2週間で、600円から1000円に跳ね上がった。
同社によると、株価上昇の材料は何もなく、その間、顧客から「新技術はいつ発表するのか」といった問い合わせが相次いだ。調べてみると、投資家が一目置くインターネットの掲示板に「(同社が)新技術を発表するらしい」などと勝手な書き込みがあったという。
仕手筋に詳しい企業コンサルタントの松本弘樹さんは「ネットを通じた株取引が普及したことにより、誰もが簡単に株に参加しやすい土壌ができ、専業のネットトレーダーが出現した。その人たちが『ネット仕手筋』となり、相場を動かしている」と話す。
松本さんによると、東京の個人投資家が、ある外国企業の株を推薦するコメントをネットにばらまいてファンドに集めた100億円の資金を元手に、その株を買い集め、株価を10倍に上げた例もあるという。