レファレンス事例詳細


管理番号

都立図事-2004001191
質 問

一休さん(一休宗純)の歌「正月や冥途の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」はこれで正しいか。この歌は骸骨の付いた杖をつきながら詠んだものらしい。
回 答

資料により、歌の言葉遣いが違う。出典は『一休咄』『一休骸骨』など。
出典を諺とし、一休の作か不明とする資料もあり(資料6)。
資料1:骸骨を竹の先に付け、正月に家を回った話と歌の全文あり。
歌は、一休と蜷川親当の道歌問答での歌「門松は冥途の旅の一里塚馬駕籠もなく泊まりやもなし」が後に「正月は(元日や)冥途の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」と変化したもの。
資料2:「門松」の項に説明あり。「門松は冥途の旅の一里塚」は一休の狂歌「門松は冥途の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」によるとなっている。
資料3:一休蜷川道歌問答の章に「門松は冥途の旅の一里塚馬駕籠もなく泊まり屋もなし」あり。下の句の説明として以下の記述がある。
「風来山人(平賀源内)『根無草後編』では、下の句を「目出たくもあり目出たくもなし」とする。」
資料4:一休の道歌−蜷川親当との道歌問答−に「門松は冥途の旅の一里塚、馬駕籠もなく泊りやもなし」というのが、のちに「正月は(元旦や)冥途の旅の一里塚、めでたくもあり、めでたくもなし」といわれるようになった、とあり。
資料5:「いずれの時か夢のうちにあらざる、いいずれの人か骸骨にあらざるべし。」という言葉の<解説>に、「元旦や冥途の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」とあり。
資料6:「門松は冥途の旅の一里塚」は諺とする。解説に、「『一休咄』等の咄本では、『門松は冥途の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし』という歌の形で出ており、一休禅師の作と伝えるが、真偽は不明である。」とあり。
資料6〜15にはなし。
質問記録票あり。
回答プロセス

 
事前調査事項

 
NDC

仏教  (180:9版)
参考資料

【資料1】  一休 : 乱世に生きた禅者 / 市川白弦‖著 / 日本放送出版協会 , 1970 ( NHKブックス )  /1888/I265/I4
【資料2】  広辞苑 / 新村出‖編 . 第5版 / 岩波書店 , 1998.11  R/8131/10O/98
【資料3】  一休道歌 : 三十一文字の法の歌 / 一休‖[著] / 禅文化研究所 , 1997.12  /1599/3001/97
【資料4】  一休 : 乱世に生きた禅者 / 市川白弦‖著 / 日本放送出版協会 , 1970 ( NHKブックス )  /1888/I265/I4
【資料5】  仏教名言辞典 / 奈良康明‖編著 / 東京書籍 , 1989.10  R/1803/3004/89
【資料6】  日本名句辞典 / 鈴木一雄‖編 / 大修館書店 , 1988.2  R/1598/48/88
【資料7】  一休和尚年譜   1 / 今泉淑夫‖校注 / 平凡社 , 1998.9 ( 東洋文庫 )  /1888/3406/1
【資料8】  一休和尚年譜   2 / 今泉淑夫‖校注 / 平凡社 , 1998.10 ( 東洋文庫 )  /1888/3406/2
【資料9】  一休 : 応仁の乱を生きた禅僧 / 武田鏡村‖著 / 新人物往来社 , 1994.6  /1888/3253/94
【資料10】  仏教を生きる   12   狂と遊に生きる / 水上勉‖編集 / 中央公論新社 , 2000.6  /180.8/5001/12
【資料11】  一休宗純の研究 / 中本環‖著 / 笠間書院 , 1998.2 ( 笠間叢書 )  /1888/3393/98
【資料12】  一休と禅 / 平野宗浄‖著 / 春秋社 , 1998.11  /1888/3427/98
【資料13】  一休仮名法語集 / 一休‖[著] / 春秋社 , 2000.5 ( 一休和尚全集   第4巻 )  /1888/3376/4
【資料14】  狂雲集   上 / 一休‖[著] / 春秋社 , 1997.7 ( 一休和尚全集   第1巻 )  /1888/3376/1
【資料15】  狂雲集   下 / 一休‖[著] / 春秋社 , 1997.11 ( 一休和尚全集   第2巻 )  /1888/3376/2
キーワード

 
照会先

 
寄与者

 
備 考

 
事例作成日

2003/03/14

解決/未解決

 
調査種別

事実調査

内容種別

言葉

質問者区分

 
登録番号

1000013178

登録日時

2004年12月28日 02時13分

最終更新日時

2007年02月27日 14時39分
提供館

東京都立中央図書館 (2110013)