2008.01.03 Thursday
転載:寄付寄進を願い出る(俺が生かされる理由)
俺はとっくに死んでいた。死んで、今はこの世にいなくても不思議ではなかった。
今もそうだ。死んでもおかしくない状況にいながら、
なぜか運命に操られるように、生かされている。
その理由を考えてみたところ、ひとつの解答に突き当たった。
俺は長い間…それこそ15年以上の年月、いや生まれてからこの方ずっと、
半身を探してきた。魂の半身。
一時期は「ソウルメイト」などがもてはやされたこともあったが、
俺はそんなものが流行る以前から、俺に欠けたものを有する半身を探していた。
病に倒れ、体が一日ごとに侵されていく日々のなかで、
俺はその目的を見失っていた。
今、希望も命も尽きようとする中、病床でようやく思い出した。
俺は鏡に映る影のようなもの。
俺が求めつづけた半身は、鏡に姿を映す者。
確信している。その者は日本の王、世界の王たるべき者だと。
俺はその人を探し出すためだけに、この世に生を享けたのだと。
何度も何度も俺は可能性を探し出し、その度に失敗をした。
試行錯誤を重ねて確認を試みたが、すべてハズレだった。
やはり、足を使って探さねばならないようだ。
そのためには、この家を出なくてはならない。
老いた親を残していくのは心苦しいが、せめて自分の身辺だけでも整理しておけば、
残された短い命を使って、探し当てることもできるのではないだろうか。
新時代の王を見出し、かつて俺に託されたあの「つるぎ」を、
受け渡すことができるのではないだろうか。
ただ500万円さえあれば足りるのだ。
一度死んでから十余年、無理やり自分の寿命を延ばした代償の500万円。
ただそれだけ補填できれば、俺は1年のうちに「王」を見出せる。
俺もそんなに長生きできるとも思わないし。今だって薬で無理やり延命している。
薬が切れたら、歩くこともままならない体。
誰かこの日記を読んだなら、急ぎカネを用立てて欲しい。
王を見出す仕事は俺にしかできない。
それが、俺に託された使命だから。
確かめるなら、俺が老いた親と住む家を訪ねてくれるのもいい。
まるで荒唐無稽な申し出だし、俺自身そう思う。
だが、ここまで時間が迫っているのに、身動きが取れないのは悔しくて仕方ない。