入浴中の急病や事故にご用心!

    (ヒートショックにご用心)

これからの季節は入浴中の事故が多くなります。
特に,高齢者の入浴中の事故が多く発生します。
    注意しましょう。


★「ヒートショック」をご存知でしょうか?★

 冬場の入浴で,脱衣場や浴槽の中で何らかの原因でお亡くなりになるご高齢の方は,
年間1万人を超えると言われております。これは年間の通事故死者数を上回ります。
原因の多くは,急激な温度変化による「ヒートショック」によるものではないかと言わ
れています。

 ※ヒートショックによる急病や事故は,ちょっとした暮らし
 の中のアイディアで未然に防ぐことができます



   浴室等で倒れて救急搬送された方々の概要(新潟市)

・調査期間:平成19年1月1日〜12月21日現在
・調査対象年齢:60歳以上の男女
・浴室等とは,脱衣場・浴室(洗い場)・浴槽

■ 結 果
・ 搬送者数 :140名(総搬送者数:25,490名の0.6%)
・ 外気温が低くなる冬季に多く発生する。今後注意が必要です。
・ 男性が多い。倒れる場所は,浴槽内が多い。
・ 浴室内で倒れた場合,死亡するケースが多い。
  (発見が遅れるためと思われます。)

       
月別搬送者数



■基礎知識「ヒートショック」とは・・■

 「ヒートショック」とは、急激な温度変化が人体に及ぼす影響の総称です。
人体は,皮膚に触れる急激な温度の変化に対し,血管を収縮させたり拡張させたり
して,瞬時に体温を調節しようとします。その際,血管の拡縮が伴うために血圧も急
激に変化することになります。

 こうした血圧の急激な変化(上昇や低下)が原因で,意識消失や脳卒中,心筋梗塞も
誘発することになります。特に,加齢により自律調整機能が低下しているご高齢の方
は,急激な変化に対応しきれないことや,生活習慣病の方等は動脈硬化等も少なか
らずありますので,心筋梗塞や脳卒中を引き起こす危険も増すことになります。

 急激な温度の変化を引き起こす場合の多くは,冬場の入浴,就寝途中のトイレ,温かい
屋内から厳寒の屋外へ出た直後などがあげられます。

 例えば,冬場の脱衣場は,思わず身体が「ゾクゾクッ」としますが,これは,まさに身体の
防御反応 ですが,同時に血圧の急激な変化も伴います。この場合,心臓に大きな負担がか
かってしまいます。反対に浴槽内では血圧の急激な低下により脳への虚血が起こり,意
識障害などを引き起こし,浴槽内で溺水してしまうケースも少なくありません。

ヒートショック対策■

1 ヒートショックの影響を受けやすいご高齢の方や生活習慣病を患っている方,
 (特に高血圧や糖尿病の人は注意)は,体調の悪い時,特に気温の低い日など
  は入浴を控えることも考慮してください。

2 浴室が冷えていて,熱すぎるお湯は体に負担が大きいですので、一番風呂は
 避け、入浴は2番か3番目にすることも効果的な予防方法です。また,お湯の温度
 は,38〜40℃程度のぬるめのお湯をお勧めします。ただし,湯冷めをしないよう
 十分な配慮が必要です。

3 脱衣場,浴室の室温が低くならないような工夫をしてください。

 Point
  
前もって,脱衣場を暖めておくことや,浴室の場合は,浴槽の蓋をあけたりシャワーを
 流すなどして暖めておくもの効果的です。最近では浴室(乾燥・暖房)設備もあるような
 ので,ある場合は有効に活用しましょう。
  ただし,脱衣場などに補助暖房を使用
する場合は,火災を起こさないように脱衣場にあ
 るものを整理し,補助暖房の付近には可燃物を置かないよう火災予防に十分な配慮を
 してください。


4 万が一、浴室等で事故や病気を発症した場合は,発見が遅れると非常に危険です。
 多くは1人で入浴している場合が多いので発見も遅れがちになります。ご家族の方は,
 頻回に声がけしてください。(重要です)

5 食後すぐや飲酒後の入浴は避ける。

6 1人暮らしの方は,公衆浴場の利用も考慮する。






                             消防局トップへ