東大寺で気持ちの良い年明けを迎えることができた。元日の午前0時、普段開くことのない中門の扉が開いた。南大門までできた参拝者の列は、開いた観相窓に、うっすらと浮かび上がった大仏さまのお顔に導かれ、大仏殿へと入っていった。
学生時代、留学先のオランダでは、正月のみ、花火の使用が解禁になり、街中に響く花火の音と共に新年を迎えた。米国では、友人たちと肩を組んでお酒を飲み、歌を歌いながら迎えた。
友人同士で、パーティー気分で迎える正月も良いが、たくさんの参拝者と共に、物静かな大仏さまの顔に手を合わせながら迎える新年も心が温まった。(黒岩)
毎日新聞 2008年1月4日