東大阪市で2日夜に交通事故に遭って死亡した男性(49)が、事故直後に周辺の救命救急センター5カ所に受け入れを断られた問題で、各施設が4日、断った理由を明らかにした。「重症患者に対応中」が4カ所で、「交通外傷の患者は受け入れていない」が1カ所だった。
関西医大滝井病院高度救命救急センター(大阪府守口市)では2日午後10時45分ごろ、ホットライン(救急隊からの直通電話)が鳴った。しかし当直医2人は別の患者の心肺蘇生中で、電話に出られなかったという。医師2人は通常の休日の当直体制だった。ホットラインは受け入れの可否を判断できる医師が直接とるルールがあり、出ない場合は対応できないとみなす。
国立病院機構大阪医療センター救命救急センター(大阪市中央区)でもホットラインが鳴ったが、医師が出られなかった。午後10時51分に、別の重症患者を受け入れて、人工呼吸器の装着などをしていた。当直は医師2人と研修医で、通常の休日体制だった。
大阪市立総合医療センター(同都島区)は2日午後11時前、「人手が足りず手術できない」と電話で断ったという。医師は2人。救急患者2人の手術があり1人は手術中だった。大阪府立中河内救命救急センター(東大阪市西岩田)も重症患者2人に対応中で、2度の受け入れ要請を断った。
一方、大阪赤十字病院(大阪市天王寺区)は午後11時前、看護師が電話を受けた。だが、交通外傷の患者は通常受け入れておらず、「対応できない」と答えたという。【根本毅、野田武】
毎日新聞 2008年1月4日 大阪夕刊