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専用電話つながらず…交通事故男性受け入れ要請

 ◆2救急救命センター、処置中で

 大阪府東大阪市で交通事故に遭った男性が府内の救命救急センターから相次いで受け入れを断られ、搬送先のセンターで死亡した問題で、うち2か所のセンターでは、搬送を担当した同府大東市消防本部からの専用電話がつながらず、受け入れ要請さえできなかったことが、わかった。1か所は、医師が治療中で4回にわたる着信に気付かず、もう1か所は医師が処置中のため電話に出られなかったという。府は4日、関係病院などから事情を聞くなど調査を始めた。

 同本部によると、事故発生後の2日午後10時42分から同56分にかけ、事故現場から近い順に府内3市の5センターに計6回、救急部門に直接つながる専用電話などで電話をかけたが、二つのセンターは応答がなかった。

 関西医科大付属滝井病院(同府守口市)によると、高度救命救急センターの当直医が所持する緊急連絡用の携帯電話に午後10時43分から10分間に4回着信があったが、患者の治療中だった医師がマナーモードにして上着のポケットに入れていたため、気付かなかったという。

 大阪医療センター救命救急センター(大阪市)では同11時前、医師の携帯電話に着信があったが、直前に搬送された患者を治療中で出られず、10コールほどで切れたという。

 残る3センターは電話がつながった。2回の受け入れ要請があった府立中河内救命救急センター(東大阪市)は「他の患者を処置中で対応できない」と断り、他の2病院も「満床」などの理由で受け入れを断ったという。

 救命救急センターは、24時間態勢で重篤な患者に対応する「3次救急病院」で府内に11か所あり、比較的軽症の患者は府内260か所の「2次救急病院」が受け入れる。

 専用電話がつながらなかったことについて、大阪府医務・福祉指導室の山本和美室長は「好ましくない事態で、速やかに連絡態勢を整えてもらう必要がある」と話している。

2008年1月4日  読売新聞)

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