イヤーマフ、耳栓比較体験記


最近通勤電車の中でうるさいなーと思うことが多くなった。発生源は人の声であったり騒音であったりするのだが。
騒音とストレスも、いろいろと調べるとそれなりに関係が深いらしい。頭痛の原因にもなるとか。
ストレスがたまれば解消を,と飲んだり運動したりも考えたがそれ以前に騒音を遮断できれば話は早いと考えた。以下はそのためにイヤーマフ(耳あて)と耳栓を使用してみた感想である。

イヤーマフ比較 結論と感想
電車で装着実験 イヤーマフ売ってるところ
耳栓比較 イヤーマフと耳栓併用
もう一度耳栓比較 イヤーマフ改造

種類

イヤーマフ ・フリマ購入  多分うるさい工場などで使うのであろう。今回の比較の結果お蔵入りに。
・Leightning 銃を撃つ場合とかに使うらしい。軍隊でも使っているとか。NRR(Noise Reduction Rateing:遮音性能?) 31 だそうな。要は31db分音をさえぎると言うことらしい。Howard Leightという会社の製品。いまはBilsomという会社から Leightning L3として売られてる。
耳栓 EAR Soft BLAST アメリカ製らしい。NRR33とある。会社はここらしい
MAX 上記のHoward Leightの製品。NRR33と性能は一緒。

Leightning フリマ購入イヤーマフ
大きさ 縦 20cm 横 16cm 厚さ(一番厚いとこ) 10cm  縦 17cm 横 15cm 厚さ(一番厚いとこ) 8cm 
重さ 278g 256g
外観
ヘッドフォン(右)と比較。一応ヘッドフォンのように見える。 質実剛健と言うか、ややださい
構造
二本の針金のようなもので位置が調整できる。動きは結構スムーズ。
これは両方縮めているところ
片方だけ伸ばすとやや斜めに出来る。角度調整はこれで行う。 回る。角度調整は自在。これはグッド。 
装着感 柔らかい。1時間つけてたがさほど気にならない。 めがねを掛けていてもまあ大丈夫。 イヤホンのコードぐらいなら挟んでも余裕。 パッドが堅いのと、締め付けがきつい。 メガネは問題外。
実使用感  テレビの音が1/10になるような感じ 声は聞こえるが注意して聞かないと何言ってるか分からない。 高い音は聞こえやすい。というか低い音が聞こえなくなった分、高い音に注意がいく。
静かなオフィスでつけると、換気扇の音とかが消えて静寂に。自分の鼓動が聞こえる。
音は確かに小さくなるが、人の声はそれなりに聞こえる。普通に聞いているテレビの音が1/3ぐらいになるような感じ



・電車で装着実験

電車に乗る。ちょっとわくわくしながらLeightningを着ける。乗り越すといやなので耳アラームも先に着けておく。
電車のアナウンスが・・・結構聞こえる。やはり人の声は通るのか?ちょっと落胆したが、そばの話し声は結構小さい。・・・要はアナウンスが大きいのか。たぶん駅のアナウンスは耳障りではない声で、結構大きめにしているのだろう。電車発車。ガタン、ゴトン、は聞こえるがかなり軽い感じ。低い音はかなり遮られている。全体としての音量は相当小さくなっており、その分高い音が目立つようだ。
毎日横でよくしゃべくる女子学生が乗ってくる駅に着いた。さてどうか。・・・声は聞こえる。が、なに言ってるかはよくわからない。完璧までは行かないが、充分だろう。ここまで確認してその後は寝た。
耳アラームは問題なく作動し無事到着。割とよく寝た感じ。

使用した感じは、音を完全に遮断、とまではいかない。人の声(特に女性)やそれ以上の高い音は多少は聞こえる。しかし気になるレベルよりは低いだろう。逆にアナウンスなどを聞き逃すような心配も要らないと言える。
 また、低周波音はほぼカットされている。電車は座っていても1時間乗ったあとはは何となくつかれていたが、イヤーマフを着け始めると疲れが軽いような気がする。今まで気にしていなかったが、案外と低周波音がストレスになっていたのかもしれない。(→BOSEのホームページで低周波がストレス源というような記述を見かけました。でもこれって単なる宣伝?)


・耳栓比較

耳栓1 EARSOFT BLASTS

直径5mm長さ2cmぐらい よくある、低反発枕のような感じ。ぎゅっぎゅと押しつぶして耳に入れる。・・・入らない。私の耳の穴が曲がっているのかあまり奥まで入らない。耳栓の約半分ぐらいが入っている感じ。とりあえず入るところまで押し込む。
中でグググと言う音とともに膨らんでいくのが分かる。
着け心地はそんなにわるくない。イアーウィスパーはもうちょっと大きかったためかしばらく着けていると耳が痛くなってきたがそんなこともない。
期待の遮音性能は、公称値はNRR33とLeightningよりも高いが、実際にはLeightningよりよく音が聞こえる。キーボードを押す音もLeightningではあまり聞こえないが、耳栓だとはっきり聞こえる。聞こえ方自体はイヤーマフとよく似ており、低い音はかなり遮音されるが高い音が聞こえてくる。


耳栓2 MAX

こちらは上記イヤーマフと同じ会社HOWARD LEIGHTの耳栓。商品名は「MAX」。遮音性能はNRR33とEARSOFT BLASTSとおなじ。BLASTSに比べるとややツヤツヤしており弾力もある。形は片方の端が広がっているのが特徴。これで耳の穴をなるべく塞ごうという設計だろう。

つぶして耳に入れてみる。端が広がっているので耳栓1に比べると持ちやすい。入る具合は耳栓1とほぼ同じ。だがややふくらみが速い。わずかに圧迫感あり。
性能はEARSOFT BLASTSに比べて良いようだ。やはり端が広がっているためだろう。しかしLeightningに比べるとやや劣る。傾向としてはEARSOFT BLASTSとおなじ。

併用1
EARSOFT BLASTSとLeightningを併用してみた。完全な静寂かと期待してみたがそれほどでもない。イヤーマフ単体に比べて3-4割減った感じはするが完全に聞こえなくなるほどではない。これは両方とも高周波音をやや通すと言う性質が似ているためだろう。

併用2
MAXとLeightning。こちらはそれなりに小さい。目の前で打っているキーボードの音がかすかにしか聞こえない。それでも人の声、特に女声はやや通ってくる。


・結論と感想
大雑把に言えば
・耳栓MAX 92%減
・Leightning 95%減
・併用 97-98%減
と言うような感じである。あくまで主観ではあるが。特に低い音はほぼ完璧に遮蔽するが高い音はある程度聞こえてくる。


イヤーマフと耳栓の両方を試したが、今回はイヤーマフのほうに軍配はあがりそうである。しかし、これはLeightningという、イヤーマフでも最高性能(らしい)ものを使った結果であり、また個人的には耳栓があっていないような感もある。装着感もイヤーマフによって結構違うようなので、長時間つける人は耳栓のほうが具合の良い人もいるだろう。

イヤーマフと耳栓を併用すれば、耳栓が良く合う人であればかなりのところまで遮音できるだろうが、駅のアナウンスやなにか突発事態に人が横で喋ってても聞こえなくなりそうだ。個人的にはLeightningで満足している。名前の変わったLeightning L3 と言うのが改良されているのであれば使ってみたい。
しばらく使ってみた結果、ごく低い振動に近い音を除くと、人の声が一番聞こえやすいと言うことが分かった。「騒音はカットするが人の声ははっきり!」なんて売り文句の耳栓が多いが、あれは人の声はカットできないことの裏返しなのではないか。
最近はMAXとLeightningを併用している。それでも話し声、特に女性の高めの声は通ってくる。喋っている内容はよく分からないぐらいなので、普通であれば気にならない程度まで減衰されているのだろう。しかしそれ以上に他の音が消えていて、静かな中で声だけ聞こえてくる感じになる。



耳アラーム
安心君とか言う耳付け式アラーム。今はモデルチェンジされているらしい。通勤用に着けている。耳にはさむようになっているがとりあえず押し込むだけでも何とかなる。これをつけたままでイヤーマフが着けられるかやや不安であったが結果はOK。イヤーマフの中においておくと、耳栓を付けていても聞こえるので乗り過ごしはなし。

・イヤーマフを売ってるところ
Leightningはイヤーマフで検索すると結構引っかかる。しかし値段は12000円とか13000円とか。高い・・・。
ときどきヤフオクで安くで出ているようなので探すのもいいかも。ただし「イヤーマフ」だけで検索すると冬用耳当てが大量にヒットするので注意。こんなかんじかな? 私もヤフオクで安く買いました。




市販品も含めて耳栓をいくつか試してみた。性能等についてはあくまで個人の主観であることを最初に断っておく。

外観 押してみた感触 付け心地 防音性 まとめ

商品名 値段 備考
サイレンシア シンプルリラックス 約500円 2セット=4個 ケース付き
ピップ イヤーホリディ 約400円 2セット=4個 ケース付き
Howard Leight製 MAX 約80円 1セット=2個 ヤフオク購入
EAR Soft BLAST 約80円 1セット=2個 ヤフオク購入
ダイソー青 105円 ケース付き
ダイソー黄 105円 ケース付き


サイレンシア シンプルリラックス ピップ イヤーホリディ Howard Leight製 MAX
EAR Soft BLAST ダイソー青 ダイソー黄


サイレンシアとBLAST 模様以外は色が微妙に違うがよく似ている MAXとホリディ 色も形もよく似ている。 MAXのほうが大きい。



以降、値段以外は比較的評判のいいサイレンシアを基準に評価していく。

イヤーホリディ 大体似たような感じ
MAX これもまた同じような感じ。ホリディとは大きさ以外は同じか?
BLAST サイレンシアに見かけはよく似てるが柔らかいというか密度が薄い
ダイソー青 ややふにゃっとしている。
ダイソー黄 かなり硬い。他の5つに比べて異質。


イヤーホリディ 似たようなものだが、お尻が広がっているので押し込みやすい。ただしやや短いので奥まで届きにくい。
MAX 押し込みやすいのはホリディと同じ。長さはサイレンシアよりもやや長いので結構奥まで届く。
BLAST 柔らかいためか耳へあたる感じは優しい。圧迫感はサイレンシアより少ない。
ダイソー青 こちらも柔らかいためか圧迫感はサイレンシアより少ない。
ダイソー黄 断面を防水のためかコーティングしてあるため、先端がやや硬い。圧迫感はやや強い。


イヤーホリディ 短いためかサイレンシアよりやや劣る。
MAX サイレンシアよりやや上。少し長いのとお尻が広い分耳の穴の入り口をよくふさげるためか。
BLAST サイレンシアよりわずかに劣る。
ダイソー青 サイレンシアより劣る。
ダイソー黄 サイレンシアよりやや劣る。

順番を付けると、
MAX>サイレンシア=>BLAST=>ホリディ>ダイソー黄>ダイソー青



防音性ではMAXが一番、ダイソー青がビリとなった。MAX一番の理由としては、一番長い、お尻が広がっている、の二点によるものと思われる。ダイソー青とBLASTは材質がやや軽い感じのものでできているため性能に差が出たのだろう。
しかし、防音性能がやや劣るといっても、やはり使う目的によって選ぶべきだろう。それほど性能が高くなくてもよくて、耳栓をしていると耳の奥が痛くなる人にはMAXやサイレンシアよりもイヤーホリディやダイソー青がお勧めだと思う。もっとも、あまり奥まで入れなければどちらでもいいのだろうが。

値段を考えるとサイレンシアやイヤーホリディはやや高い。10日ほど使うとへたってくるので、毎日使う人にはMAXの方が数分の一のコストなのでお勧め。しかし入手方法がヤフオクなどでは出品されていない場合もある。その場合はダイソー青、性能に不満な場合はやや高価だがサイレンシアだろうか。
人によって耳の形も音の感じ方も異なるので、とりあえず安いものから試していくのがいいだろう。




イヤーマフ改造

Leightningをしばらく使ってみたが人の声は通るなどやや問題点もある。ところでLeightningはでかい。これはアメリカ人の耳が大きいためと勝手に思っている。よって内部の空間には余裕がある。そこで性能アップを図り、安価かつ簡単な改造?を試みた。


材料1:低反発枕切れ端 同居人の使っているものから失敬した。
材料2:綿 手芸洋品店などで売っている安いもの。

低反発枕を使ったのは、現在使用している耳栓MAXやその他の手触りがよく似ているので、似ていれば遮音効果も高かろうという至って単純な発想である。綿はたまたまあったので使った。

Leightningの構造

中の黒いスポンジを取る。簡単にはずれる。

左が黒スポンジ。右は枕の切れ端。

すると、その奥に白いスポンジ状のシートが貼ってあるのを発見。さわると柔らかく、耳栓などと同じような感じ。
黒スポンジをはずした。中に白いシートが貼ってある。


枕ウレタン
ここに枕から切り取ったウレタンを厚さ約5mm程度、形を黒スポンジと同じようにカットしたものを押し込みなるべく外に出てこないように整形する。さらに黒スポンジをその上に元通り入れる。


綿
写真はないが、枕の場合と同様に黒スポンジをはずし、内部に綿を詰め込む。黒スポンジを戻す。

結果
 遮音性能(あくまでも主観である)


 詰め物をすることで遮音性能は上がる。枕の方が綿よりも効果は高いようだ。比較的耳障りな高い音に限って言えば3-4割下がったような気もする。数字で言えばNRR32とか33になってるのかもしれない。感じで言えば、Leightning+耳栓併用よりやや劣る程度。しかし、静かになるほど小さい音が気になるということもある。
 綿は入れすぎたのかもしれないがふくらんできて耳にあたる。痛くはならないが、耳に接触して振動が伝わるような気もする。枕の方はある程度反ったままになるのでそういうことはない。


改造まとめ
・内部に詰め物をするという簡単な方法でできる。遮音の度合いやふくらまないことから低反発枕のようなものが綿よりは適した材料だろう。
・劇的ではないが耳栓を併用したのに近い程度には性能が向上する。耳が痛くなるなど、耳栓があわない人にはいいかもしれない。
・イヤーマフも耳栓も高い音はやや通すが、低い音はかなりさえぎる。今回の改造である程度高い音も遮れる。これぐらいに耳からの音がさえぎられると、静かな場所ではそろそろ骨伝導による音のほうが目立ってくる。耳からの遮音というのはこのLeightning改造ぐらいでいいのかもと思う。それ以上に必要な場合はLeightning改造+MAXで対応しよう。


改造2 改造と言うほどではないかも
 上でも触れた「安心君(旧型)」を埋め込んだ。写真のとおり、スポンジに切れ込みを入れただけである。しかしこれで毎回安心君を中にセットする手間が省ける。耳栓を併用してもアラームが聞こえるのは確認済み。快眠通勤のための強い武器となろう。