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【社会】

搬送1時間、事故男性死亡 大阪 『満床』5救命センター拒否

2008年1月4日 朝刊

 大阪府東大阪市で二日夜、交通事故に遭った男性が府内五カ所の救命救急センターから「満床」などを理由に受け入れを拒否され、事故から約一時間後に事故現場から約十五キロ離れた別の救命センターに運ばれた後、死亡していたことが三日、分かった。

 大阪府では昨年十二月二十五日にも体調不良を訴えた富田林市の高齢女性が三十病院に受け入れを断られ、死亡するケースがあったばかりで、救急医療体制の不備が再び露呈した形だ。

 河内署によると、死亡したのは同府大東市のトラック運転手西村正夫さん(49)。西村さんはバイクを運転中の二日午後十時二十分ごろ、東大阪市東鴻池町の市道で軽乗用車と衝突した。

 大東市消防本部によると、救急隊が午後十時三十三分に現場到着。西村さんは意識はあったが骨折しており、救急隊は重傷と判断、東大阪市や周辺の大阪市、守口市にある計五カ所の救命救急センターに電話で受け入れを要請した。しかし、いずれも「満床」などを理由に拒否されたという。

 西村さんは午後十一時二十五分ごろ、六番目に要請した千里救命救急センター(同府吹田市)に運ばれたが、三日午前一時四十五分ごろ、大動脈損傷で死亡した。

 救命救急センターは、生命の危機にひんした患者の救命を目的に二十四時間態勢で診療する医療機関。大東市消防本部は「年始で一般の病院は休みのところが多く、救命センターに急患が集中していたのかもしれないが、五カ所も受け入れを拒否されるケースはまれだ」と話している。

 

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