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【愛知】

一宮市民病院今伊勢分院を民間移譲 新年度中にも市が赤字歯止めへ

2008年1月4日

 各地の公立病院が経営難にあえぐ中、一宮市は、市立4病院の中で赤字状態が厳しい一宮市民病院今伊勢分院の経営などを民間移譲する方針を決めた。公募を行い、2008年度中にも移譲したい意向。

 同市は2005年の近隣2市町との合併以降、一宮市民病院、同今伊勢分院、尾西市民病院、木曽川市民病院の4つの病院を抱えている。合計累積欠損金は06年度末で44億5000万円に上り、07年度はさらに増加の見込みで、これに歯止めをかけようと今伊勢分院を民間移譲することにした。

 今伊勢分院は現在156床。以前は外科、内科を含め10科あったが段階的に診療科を廃止し、07年4月からは精神科、神経科と、歯科口腔(こうくう)外科外来のみで患者を受け入れている。

 市によると、職員の人件費が民間の精神科病院よりも高いことなどが、赤字経営の原因となっており、08年度は一般会計から7億円以上の繰入金が必要となる見込みという。

 市は、全国的にも精神科を主な診療科とする市立病院は少ないことや、将来的に医師確保の困難が見込まれることを民間移譲の理由に挙げている。市によると、公立病院の民間移譲は県内で初めてという。1月中旬には条件を提示し、移譲先を公募する予定という。

 (柚木まり)

 

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