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話題を追う 妊婦健診受けて!無料回数アップへ
2008/01/04の紙面より
妊婦が定期的に受けるべき妊婦健診。近年、仕事の都合や健診費用を賄えないなどの理由で受診しない妊婦が問題となっている。かかりつけ医を持たないまま分娩(ぶんべん)の時期を迎えて病院へ駆け込む「飛び込み出産」へとつながるからだ。国は市町村が全額負担する健診回数を増やすよう通知。県内の自治体は無料で受けられる回数増加を検討している。
未受診問題「保険適用し抜本策を」
自治体でばらつき妊婦の健診は妊娠初期から二十三週までは四週間に一回、二十四週から三十五週までは二週間に一回、三十六週以降は分娩まで一週間に一回と、合計十三−十四回は受診することが望ましいとされている。費用は検査の内容によって変わるが、基本的な健診は五千円前後。より詳しい検査などを行うと、料金は追加される。妊娠は病気ではないという考えから保険適用はされないため、分娩費用同様、健診費用も全額自己負担しなければならない。 経済的不安を軽減するため、市町村が何回かは全額負担することになっている。しかしその回数は自治体によってばらつきが。県健康政策課によると日南町が七回、鳥取市、倉吉市、若桜町が三回、それ以外の市町村は二回だ。 厚生労働省は昨年一月、「経済的理由で受診をあきらめる者を生じさせないため、少なくとも五回は公費負担を」と都道府県に通知した。県健康政策課によると、来年度から「増やす」との回答を多くの市町村から得ているという。 日南町は昨年四月から少子化対策のため七回の全額負担を導入。二回は無料で受けられる受診券を配布、残り五回は受診時の領収証を提出すると全額支払われる償還払い方式で助成している。 若桜町は妊娠前期に一回、後期に二回、計三回の公費負担を、一月から五回に増加。「妊婦の人数が少なかったこともあり、三回の本年度予算額のままで五回の公費負担に対応できるようなので、新年度を待たずに実施することを決めた」(同町保健センター)という。 飛び込み出産危険鳥取市でも新年度から回数を増やす方向で準備している。一度も産婦人科医の診察を受けることなく陣痛を迎え、突然病院へやってくる「飛び込み出産」。「年間二−三例は扱います。特に一度お産を経験して何人目かの出産という経産婦に結構多い。とても危険な行為です」と、鳥取市的場一丁目の鳥取市立病院(清水健治院長代行)の伊原直美産婦人科部長は厳しい表情で訴える。 赤ちゃんは何週目に入っているのか、妊婦は感染症にかかっていないのか。これまでの経過や現状が全く分からない状況でのお産は通常分娩よりリスクが高いことは明らかだ。それでも経済的理由で病院にかかろうとしない人はいるという。 また全くの未受診とまではいかないまでも、徐々に来なくなる人も。受診の間隔が空くと病院から連絡するようにしているが、受診勧奨にも限界がある。 清水院長代行は「五回無料で受けられるようになっても、まだ半分以上は自費なのだから大きい負担だ。保険適用して三割負担で済むようにすべきだ」と抜本的な制度改革を求めている。 ■インデックス
妊婦健診受けて!無料回数アップへ(01/04)
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