岡谷市の市民有志が今月26日に「新生岡谷病院建設を考える市民の会」を発足させる。同日午後2時半から諏訪湖ハイツで市民公開講座を開く計画だ。総務省公立病院改革懇談会座長で公認会計士の長隆(おさ・たかし)さんを講師に招き、「これからの自治体病院のあり方」について考える。
同会関係者によると、同市が新病院の建設予定地を発表した昨年7月から、病院経営を学習するなどの発足準備を進めていた。発足時の会員数は10人の予定。新病院建設に賛成の立場から行動するという。
一方で「少子高齢化や人口減少で岡谷市の財政状況は厳しい。新病院建設で『第2の夕張』になっては困る」とし、▽医療制度改革に応じた適正な病院規模と建設費抑制の研究▽医療費を抑える予防医療の推進▽特化した医療を提供する病院像の模索▽病院経営の情報公開促進―などに取り組む。市への提言も視野に入れるという。
同会代表の飯森勝さんは「新病院は市民の命と健康を守るだけでなく、医療機器開発などの産業振興にも貢献できる。岡谷市に本当に必要な病院像を市民の立場で真剣に考え、提案できるような活動をしていきたい」と話している。
公開講座は、市の新病院建設計画について、多くの市民に関心を持ってもらおうと企画。全国で公立病院再建に取り組む長さんに講師を依頼した。長さんは、赤字経営が多い公立病院の経営改善を促す総務省の「公立病院改革ガイドライン(指針)」策定に携わり、財政破たんした夕張市でも市立総合病院(現・夕張医療センター)の公設民営化に経営アドバイザーとして手腕を振るった。
入場無料。問い合わせは飯森勝さん(電話23・6987)へ。
◇岡谷市の新病院建設計画
岡谷市が経営する市立岡谷病院(本町四)と健康保険岡谷塩嶺病院(内山)を統合し、文化センター跡地(本町四)に新病院を建設する。診療報酬引き下げや医師不足で悪化する病院経営を改善し、病院事業に高額な財政支援を続ける市一般会計の負担を軽減する狙い。構想案の新病院規模は一般病床300床、概算事業費110億円。建設時期は未定。市は総務省のガイドラインに基づき、2008年度中に「改革プラン」を策定する。