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01/03-10:55--岡山県下　ご当地検定が熱い！　工夫凝らし地域活性化

　地域の歴史や文化などをより知ってもらおうと「ご当地検定」が全国でブームだ。岡山県内でも商工会議所や自治体が独自の手法で取り組んでおり、テキストも人気を集めている。郷土愛をはぐくむとともに、観光客増など地域活性化につながることを関係者は期待する。　県内初のご当地検定は岡山文化観光検定試験（岡山検定）で、岡山県の知識を幅広く身に着けてもらおうと、０５年からスタート。岡山商工会議所（岡山市厚生町３丁目）が京都検定の大ヒットを受け発案、年１回実施しており、延べ約２８５０人が受験した。所定の受験料を添えて事前申し込み。主に選択式の１００の岡山に関する問題（準３級のみ５０問）に回答する筆記試験。時間は９０分（同６０分）で正答率７割以上が合格。これまで３級に約１２００人、２級に約２００人が合格している。０８年６月には、２級合格者を対象に１級の試験を初開催する予定。すべて記述式で、テキスト外からの出題、論文問題の導入も検討している。受験者は最年長８８歳、最年少１０歳と幅広い。若年層も参加しやすいよう０７年から準３級を新設し、８７人が受験した。毎年２０歳代以下の比率は２０％を下回っており、同商議所は若年層への働き掛けも積極的にしていくという。級ごとの難易度、合格率の調整など課題もまだあるが、同商議所は「５年くらいで安定していく。少しずつ改善を加えながら、充実させていきたい」と話している。本格的な検定だけにテキストも充実。公式テキストを手掛ける吉備人出版（同市丸の内２丁目）は、０５年９月の初刊以降、３冊のテキストと４冊の問題集を発行した。現在のテキストは、歴史、自然など４章に分けて項目別に解説する３級向けと、県内の各分野専門家が執筆した２級向けの２種類。一つの検定で複数のテキストが出版されるのは全国的にも珍しい。基本から発展問題と過去の出題分を網羅した問題集も発売されている。同社は「受験の有無にかかわらず、テキストを読んでもらい、郷土を県外にＰＲできるようになってほしい」と話している。　倉敷市内の３商議所と倉敷観光コンベンションビューローは、倉敷への観光客増加や定住促進を目指す構想「ネイティブ倉敷」の一環として、ネット上で受験できる倉敷検定を実施している。１０問４択形式で７問以上正解で合格。無料で何度でも挑戦できる。合格者には特典も。印刷した合格証を市内の宿泊施設や観光案内所で提示すれば、協賛する飲食・物販店、旅館などで割引サービスが付くパスポートがもらえる。９月にスタートし、これまでに約１万人がアクセスし、合格者は約３千人。俳優の三國連太郎さんも夫妻で合格した。受験者は岡山県内が大半で年代は３０～５０歳代のため、団塊世代を倉敷に〝誘致〟するという目的はやや外れた格好だが、事務局の倉敷商議所は「いつでもどこでもアクセスできる」と受験のしやすさを強調。問題も毎月変え、目新しさを出し、倉敷の魅力を紹介するテキスト「倉敷バイブル」も発行する。　笠岡市は昨年１１月、笠岡版のご当地検定として「笠岡クイズ王選手権」を開催。テーブルに着き、問題を解くのではなく、体育館で○×クイズや早押しクイズに挑戦するという遊び感覚の検定で、小学生から大人まで約３００人が参加した。同市では検定に合わせ、観光ガイドとともに、歴史や文化、観光などを紹介したテキスト「笠岡ふるさとガイド」（Ａ４判、２１４㌻）を発行。「概論編」と「観光・文化編」で構成し、写真を多くしたり、ルビをふったりと読みやすくした。１２００部作成し、一部５００円で販売したが、好評で増刷。来年度以降、クイズ大会の開催は未定だが、同市協働のまちづくり課は「テキストはあるので、協働の機運が再び高まれば、検討したい」としている。真庭市は０６年度に「まにわっ子検定」（まに・けん）としてＣＤ問題集を３００枚作成。問題３択形式で、合併した旧町村ごとの地区別問題と、真庭市に関する分野別問題の計１２０問を用意している。子どもたちに地域のことを知ってもらおうと計画。無料で小中学校に配布された。