そろそろ日本にも「家系図ブームがやってくる」。海外の現状は日本のそれと比べて異常な程の盛り上がりを見せている。異常と思えるのは単に世界を知らないだけなのか。
米国を始め、イスラエル、ドイツを中心としたヨーロッパでは、家系図などルーツを探ることがホビーとして完全に定着している。米国の家系図検索サービス会社の調査によれば、米国人の成人の65%が家系図に対して大きな関心があり、そのうち45%は何かしらの方法で家系研究をしている。
家系図のネットサービスも大変盛り上がっている。ユタ州プロボに本拠を置くThe Generations Network(TGN)が運営する家系図サイト「Ancestry.com」を老舗的な存在として、大手4〜5個の家系図サイトが存在する。
ユタ州の友人によれば、興味深いことにネットの検索カテゴリーでファミリーツリー(家系図)関連とアダルト関連が常に一番人気を争っている。成長株のGeniなどは2007年ロンチ後たった5カ月で500万件の系図登録者(利用者数ではなく家系図のツリーに加えられた人の数)が集まったと発表した。
2005年に設立したイスラエルのMyHeritageに至っては、なんと1億8000万人分の系図登録者(プロフィールと言っている)を持っている。ドイツではGeniのカーボンコピーが2007年8月に誕生しGeniを超えるスピードで急成長している。
肝心のビジネスモデルであるが、老舗のAncestry.comを例にとれば、300万ページに上る英米の主要新聞の紙面データや、過去に出版された書籍資料のスキャンデータ、軍隊や移民記録などをフルに検索できるサービスが、年間189.95ドルで利用できる。これは日本の除籍簿からは分からないその人(ご先祖様)がどのような人物であったのかを知る手掛かりとなる。
また系図登録者を検索できるサービスが年間49.95ドル。これは自分の先祖や親戚を探せる楽しみが魅力だ。また系図学を学ぶオンラインコースも29.95ドルで提供されている。広告を始めショッピングや、最近は医療関係(遺伝子治療等)のDNA分野ともリンクし始めている。
日本においても、最近は雑誌などで「ルーツを探る」「家系図をつくる」などの特集が組まれている。私には、海外での盛り上がりと相まって日本における家系図ブームの前兆に思えてならない。
系図を探求するシニア世代の知人によれば「家系図づくりは人間の本能」であると言う。お寺やお蔵の中に家系図が巻物になって眠っていたり、お墓参りなど先祖を敬う日本文化。日本でも海外と同じようにブームに火が付くのも時間の問題だろう。
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