過疎化の影響などで住職の跡継ぎ不足が深刻化する中、浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺、京都市)がユニークな新事業をスタートさせた。跡取りの結婚相手や住職候補を紹介する上、互いの相性を見極める時間も設定する徹底したサービスだ。
事業は「Net縁(えにし)」と命名され、後継者不足に悩む寺に跡取りの結婚相手や住職候補の僧侶を紹介する。
担当する寺院庶務部の明玄円(あきげんえん)さん(65)は「寺に坊守(僧侶の妻)がいると、近所の主婦たちと一緒に行事も活発に催せる。過疎に悩む地域を活性化する“ご縁”になれば」と話している。
過疎化などで全国的に住職の跡継ぎ不足は深刻。全国に約1万300の末寺を抱える浄土真宗本願寺派にも「息子が40歳をすぎても独身で寺の将来が不安」などの声が上がっていた。
事業は、後継者に結婚相手を仲介する「結婚コース」と、住職候補を探す寺院に同派の僧侶を紹介する「入寺コース」の2つを設定。自坊を継げない寺の二、三男や、退職後に地元へ戻り仏門に進みたい高齢者にもあっせんする。
所属寺院の住職の推薦で会員登録でき、西本願寺北側の事務所で、プロフィルやスナップ写真が載った会員カードのファイルを閲覧できる。
気に入った相手が見つかれば事務所が初対面の場を用意。お互いの相性を見極めるため、その後の面会を通じ、結婚コースは3カ月以内、入寺コースは1年間かけて、交際や入寺の意思を確認してもらう。合意に達しなかった場合でも再度紹介を受けられる。
入会費、年会費は無料。パンフレット約2万部をすでに作製。会員が集まれば、今月下旬にも紹介を始めるという。
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