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【TOKYOの時代】(8)新東京タワー 下町の活性化に期待 (3/4ページ)
このニュースのトピックス:TOKYOの時代
墨田区観光推進課の高野祐次課長は「東京を観光する外国人観光客のうち、3割が下町観光するだけで200万人。今は、海外の東京ガイドブックに墨田区の地図はありませんが、将来、ガイドブックを片手に墨田区を歩く訪日観光客の姿を多く目にすることができますよ」と、にぎわいを取り戻す下町への確信を語っていた。(門倉千賀子)
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■観光変える“職人体験”
羽子板に江戸切り子、小紋染など、墨田区には江戸時代から伝わる伝統工芸の工房が数多くある。
片岡恭一さんは、1946年に日本橋浜町の表具店の二男だった父、治郎さんがこの地で開いた屏風(びょうぶ)店「和集屋」の2代目。注文客の着物や帯、スカーフなどを使って世の中に一つしかない作品を作り出す。
事前に予約しておけば、1枚で6面の絵柄を楽しめる不思議な屏風“からくり屏風”づくりを体験できる。2時間のプログラムで15人以上なら2000円。昨年は、旅行会社とのタイアップなどで、中学生など500人が体験した。屏風の製造工程を学ぶことで、日本の伝統工芸である屏風とは何かを知ると同時に、ものづくりの大切さを学べるという。
こうしたものづくり体験は、墨田区の新しい観光の形として脚光を浴びはじめている。その担い手は、片岡さんをはじめとする同区の産業を支えるものづくり技術を継承する職人「すみだマイスター」ら。地域に根ざした産業や伝統工芸を、下町観光の素材として生かそうという試みだ。