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【TOKYOの時代】(8)新東京タワー 下町の活性化に期待 (2/4ページ)
このニュースのトピックス:TOKYOの時代
国土交通省が中心となって進めている訪日観光客促進の「ビジット・ジャパン・キャンペーン」も追い風だ。外国人観光客の7割は、東京を訪れる。キャンペーンでは06年に約700万人だった訪日観光客数を10年までに1000万人に引き上げることを目標としており、実現すれば700万人が東京を観光することになるからだ。この外国人観光客をどれだけ下町に呼び込めるかだ。
拠点の回遊性を向上
観光客の受け入れ体制を強化するため、墨田区では「国際観光都市すみだ」づくりに向けた、08年から15年までの「観光振興プラン」を3年前に策定。観光都市にふさわしいインフラ整備に取り組む。特に、新タワーが建設されるエリアを中心に、向島、錦糸町、両国と区内に点在する観光拠点の回遊性の向上は、タワー完成までの4年間の重要施策だ。
江戸時代の浮世絵師の生誕地とされる北斎通りには、タワー完成と同時期に「北斎館(仮称)」を新たな観光拠点として設立し、北斎や江戸文化を楽しみながら両国と錦糸町エリアを回遊できる通りに生まれ変わる。タワービューを生かすため、景観を楽しめるスポットの整備や、タワーを中心に放射状に伸びる歩行空間の整備も計画している。
周辺の区とも、定期的に観光事業や交通インフラに関する連絡会を開催している。タワーに観光案内所を共同で設置することや、下町として一体となって観光情報を提供していくことなどを協議している。六本木や表参道、新橋など、東京西南に移ってしまった活性化軸をどうにかして東京東部に持ってくるのだと意気込む。