高塚さんの使用していたauの携帯電話W52T。問題の請求は、「ダブル定額ライト」の契約をつけていないこの携帯へのものだった。
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2年連続顧客満足度1位だとアピールするau。今年7月、ユーザー2万件以上に対し2桁多い金額を誤請求し話題になったが、使った覚えがない高額請求が来たら納得いく説明を得られるのか。実際に、auのケータイを利用していたユーザーが身に覚えのない請求を受け、お客様センターに問い合せたところ、具体的な利用時刻やアクセス履歴が開示されず、メールやファクスによる回答も完全拒否されていた。1ヶ月超の交渉の末、結局、3台すべて解約した。
【Digest】
◇高額なパケット通信料の明細
◇メール回答の要望に電話で答えるau
◇対応の悪さと誤請求のニュースに不信
◇ユーザーへの情報開示努力が足りない
埼玉県在住の高塚春樹さん(仮名・43歳)は、妻と高校生、小学生の子どもがいる4人家族。子どもたちのためにGPSで位置確認ができるサービスを利用するため、3月にドコモからauに乗り換えた。
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10月分の請求に不審を抱いた高塚さんがauから取り寄せた請求書(上3枚)。3月の加入以来1万円前後だったのが9月分からやや増えて、10月分は2万円弱に増えている。
10月分の請求内訳(中)。1枚目が一括請求額、2枚目と3枚目がそれぞれの携帯(合計3台)の明細。
10月分のパケット通信の明細(下)。中央部分にある「パケット通信明細/EZWINインターネット」の10/21 EZ 2190802というのが問題のバイト数で、この1日で3000円を超える請求額になっているが、アクセス先や動作内容をお客様センターに聞いても要領を得なかったという。
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そのうちの2台は定額制でEメールやサイトの閲覧が定額で利用できる「ダブル定額ライト」を契約し、もう1台は、高塚さんが以前の職場で患ったうつ病が適用される障害者割引(スマイルハート割引)のみを契約し、パケット通信はほとんど利用しないので、「ダブル定額ライト」は付けなかった。
◇高額なパケット通信料の明細 ところが、加入して以来3台合計で月1万円前後だった請求額が、10月分でいきなり約1万9000円に跳ね上がった。
請求額に納得がいかない高塚さんが11月初めにauお客様センター(0077-7-111)に電話で問い合わせたところ、使ったのは事実だから払ってもらう、という説明しか受けられなかった。話の中で、「「ダブル定額ライト」に入っていない携帯の10月21日のパケット通信料が1日で3000円を超えていることがわかった。
高塚「その日の利用については家族の誰も覚えがありませんでした。この携帯では『着うた』やEZwebはまったく利用していませんし、3月からずっと使っているので操作の間違いはありえません。何時頃に利用したかを尋ねても、au側は何も回答しませんでした」
auの場合、通話明細は有料(作成料100円)で、契約した人にだけ届く仕組みだが、高塚さんはこれまでその契約を結ばず、web上で請求金額を確認していた。今回の件でその請求内容に不審を抱いた高塚さんが、auにあらためて通話明細を請求したところ、請求用紙を送るので記入して返送するよう案内された。
利用者本人の請求に対するその対応に納得がいかない高塚さんが抗議すると、次の日にお客様センターから電話が入り、ようやく問題の10月分の通話明細を送るということになった。
送られて来た文書から10月分のパケット通信明細を確認すると、問題の10月21日のバイト数が極端に大きいことがわかった。しかし、明細には接続先も接続時刻も書かれてないため、高塚さんも家族も、自分たちが使っていないことを証明するための情報がまったく得られないままだった。
高塚さんは消費者センターにも相談して、間に入ってもらったが、本人が問い合わせているにもかかわらず、au側は通信の秘密を理由にそれ以上詳しい内容を説明しようとはしなかったという。
高塚さんが納得できないまま、10月分の請求金額は11月26日に口座から引き落とされてしまった。
11月末になって.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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auお客様センターから高塚さんに送られて来た唯一といっていい文書(上)。この後は、何度もメールか文書での回答を要求したのに、電話でしか連絡がなかったという。
筆者に対するauからのFAX回答文書(下)。
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ドコモ(上)、ソフトバンク(中)、au(下)のパケット通信料の目安表。ドコモとソフトバンクが1ページにわたり詳しい説明を載せているのに対し、auは上半分に「ダブル定額」の説明があり、その下にパケット通信料の目安を載せている。
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