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温室効果ガス排出量削減、ダンマリ決め込む韓国政府

 インドネシアのバリ島で開かれた第13回気候変動枠組条約締約国会議(COP)には、世界から約190カ国が参加したが、2004年の国連開発計画(UNDP)の報告書によると、韓国の二酸化炭素の排出量は今回の会議の参加国中9位となる。1990年には2億4100万トンに過ぎなかった排出量が、04年には4億6500万トンにまで急増したというわけだ。増加率は93%で、排出量上位10カ国のうち、中国(103%)、インド(97%)に次いで3番目に高い。世界で最も多くの二酸化炭素を排出している米国でさえ増加率は23%、また日本は17%にとどまり、一方ドイツは18%減少した。

 さらに韓国は、「先進国クラブ」といわれる経済協力開発機構(OECD)の加盟国でありながら、京都議定書で温室効果ガス排出量の削減義務を負っていなかった。このため、これまでは温室効果ガスの排出量削減問題も「対岸の火事」だったが、これからはそういう訳には行かない。韓国が温室効果ガスの削減について前向きに取り組むよう、国内外から求められているためだ。

 しかし韓国は依然として、他国の動向を指をくわえて見ているだけだ。

 米国とともに京都議定書の批准を拒否したオーストラリアが、今回の会議で京都議定書の批准を宣言したことで、韓国の動向にも注目が集まった。だが韓国は依然、ダンマリを決め込んでいる。「環境運動連合」や「環境正義」など韓国の市民団体も、温室効果ガスの排出量削減に前向きな姿勢を見せない韓国政府に対し、会議場で非難する一幕もあった。市民団体のメンバーたちは、総会で李圭用(イ・ギュヨン)環境部長官が基調演説を終えて席に戻ろうとした際、ヤジを浴びせたのだ。当初は韓国政府に抗議する懸垂幕も用意していたが、これは警備員に没収された。

 だが、韓国政府にも言い分はある。地球温暖化に対する取り組みがまだ十分でない韓国の産業界の立場を考慮しなければならない状況にあって、功を焦って温室効果ガスの削減に前向きな発言をすれば、後でその深刻な後遺症に悩まされるというのだ。その上、当初想定されていた期限内に交渉がまとまらず、日程が1日延びたため、韓国政府の代表団は外交通商部の担当者など一部を除き、予約していた飛行機に乗って帰国してしまった。代表団の団長を務めた李圭用環境部長官や、実務責任者である環境部の申富南(シン・ブナム)国際協力官らは交渉の最中だった15日朝、空港へ向かった。韓国政府が「第4次気候変動総合対策」をまとめ、韓悳洙(ハン・ドクス)首相がこの問題に積極的に取り組んでいくことを宣言したのは、この4日前のことだ。

 一方、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長も苛立ちを隠せなかったのか、韓国政府の代表団に直接会い、「経済規模や経済的な地位の向上に歩調を合わせ、気候変動の問題で模範的な姿勢を示すべきだ」と求めたが、これも無駄骨に終わる結果となった。

李衛裁(イ・ウィジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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