イラク駐留米軍は31日、昨年12月の米兵死亡者が計21人と、2003年3月のイラク軍事作戦開始後、04年2月の20人に次ぐ最低水準になったと報告した。首都バグダッド周辺で昨年夏以降に実施した米軍増派、治安改善の作戦の効果の結果としている。
ただ、昨年通年の米兵犠牲者は12月31日時点で計899人で、これまで最悪だった04年の記録を50人上回った。
昨年の各月別の数字を見ると、1月が83人、2月と3月が81人、4月104人、5月126人、6月101人。米軍増強に踏み切った7月は78人、8月84人、9月65人、10月38人、11月37人と低減している。
イラク駐留米軍報道官は米軍増派の効果が明らかにあると誇示している。イラク軍事作戦での死亡者総数は3895人。これに事務職の7人が加わる。
昨年12月に戦闘に巻き込まれて死亡したイラク市民の正確な数は不明。イラク内務省は11月の数字は全国で538人とし、軍事作戦開始後、最低だったと発表している。
この数字の真偽は不明だが、バグダッドのタクシー運転手は「7カ月前と比べ、街の治安は確かに良くなった」と指摘。以前は放置されていた死体が現在はほとんど見掛けなくなったと証言している。