2008年1月1日(火)
ドクターヘリ八戸暫定配備強まる
−PR−
本県でドクターヘリの配備先をめぐる議論の流れが変わってきている。これまで県は、県立中央病院(青森市)を強く支持していたが、国が来年度のヘリ配備へ向け積極的に予算を付ける方針を示したことから、早期運航可能な八戸市民病院に注目が集まり始めた。十二月の医療審議会計画部会では「八戸で暫定運航を」という意見が複数出され、いったんまとまりかけた。ただ、「全体を考え、県病からスタートすべきだ」という声も根強く、結論は次回の計画部会に持ち越された。
ドクターヘリ国が積極予算
二〇〇八年度一般会計予算の財務省原案が示された十二月二十日。県庁は揺れた。財務省が本県を含めた三県に二億六千万円のドクターヘリ配備予算をつけた−という報道が駆けめぐったためだ。「県からドクターヘリ導入を厚生労働省に正式に要請したことがないのに、なぜ予算がつくのか?」。担当者は驚き、困惑の表情を見せた。この予算報道がヘリ論議に影響を与えた。
五日後の二十五日、青森市で開かれた医療審議会計画部会。県内自治体病院長として重い発言力を持つ、むつ総合病院の小川克弘院長が切り出した。「基本は県病でいいが、来年度、予算がつくなら、八戸市民病院で暫定運航したらどうか。今の県病にはドクターヘリに対応できる力はない」。八戸市民病院の三浦一章院長が続いた。「未来永劫(えいごう)、八戸が基地病院になるということではない。今できるこちらでやらせていただけないか」
弘大教授ら不快感
県病の吉田茂昭院長は、各病院の連携の必要性を説き、県病が最初から基地病院になることにこだわりを見せなかった。そこで、和田一穂部会長(県医師会常任理事)が「ヘリの運航対象地域は青森県とする。疾患別の搬送先の基準をつくる」とまとめに入った。そして「県病をメーンとするが、今すぐはできないので、暫定的に八戸市民病院にお願いする」と続けた瞬間、永山隆造・ときわ会病院理事長から質問が出た。「後半部分はどういうことか」
県の事務担当者は「県病では来年十月まで、立体駐車場の整備があるので、物理的に基地病院の整備はできません」と説明した。ヘリに関する初年度の国庫補助は、〇九年一月から三月までの三カ月分。〇九年一月から運航するとしても、県病では基地病院として準備ができないという。
これに弘大の奥村謙教授が不快感を示した。「最初から、結論ありきではないか。今までの議論は何だったのか。ばかばかしい」。弘大の須田俊宏教授は「データは早く出しておくべきだった」と苦言。奥村教授は「将来を見据えて県全体の医療を考える必要がある」と語った。
三浦院長は「助かる命を救うために八戸でやらせてもらいたい。(奥村教授の主張は)ヘリをやらないこともあるというのか。やって、考えながら進んでいいのでは」と主張。気まずい時間が流れた。ここで難波吉雄県健康福祉部長が「論点を取りまとめていただき、再度、計画部会に出させていただきたい」と場を取り繕った。
最終的に県が判断
小林眞八戸市長は本紙に「専門家による議論によって、ある程度の方向性が示されたと聞いている」と、八戸へ流れ始めた追い風に手応えを語った。一方、これまでヘリの必要性を協議してきた「県救急・災害医療対策協議会」の委員は「突然、方向性が変わった。何があったのか。財務省の予算も、空から降ってきた不思議な予算だ」と違和感を口にした。
昨年秋まで露骨に八戸配備への不快感を見せてきた県関係者は、県病の救命救急センターの体制の弱さを認め「ヘリの飛行速度から言って、県病でなくとも八戸が基地病院でも構わないのだが」と語るようになった。県議会でも十一月の定例会でヘリ早期運航、とりわけ八戸暫定運航論が叫ばれるようになった。季節別運航論も残っている。
政治、県民感情、大学の思惑などが絡み合い風向きが刻々と変わるドクターヘリ論議。県関係者は「今後、議論は完全な合意に至らないかもしれないが、最終的には県の判断になる」と話した。
>>HOME
■
PR
・【千葉室内】お年玉還元有り!学習机も安い!初売は元日〜6日迄
・東奥日報CD縮刷版 購入はこちら
・出光カードまいどプラス★年会費無料!
・世界で活躍する日本語教師になりたい!
・ガーデニングの資格が取れる!日本園芸協会のガーデニング講座
最新のニュース
01/01 15:41
青北8強ならず/全国高校ラグビー
01/01 15:10
ドクターヘリ八戸暫定配備強まる
01/01 14:02
住宅全焼 1人死亡/五戸
01/01 12:57
年賀状配達 高校生、雪の街へ
01/01 12:42
2010年10-12月有力/新幹線新青森
01/01 12:38
八戸で445戸、深浦で335戸が停電
12/31 21:04
県内大荒れの大みそか
12/31 19:51
青北 打倒伏見工へ闘志/ラグビー
12/31 18:29
威勢良く裸参り/五所川原市飯詰
12/31 17:11
基礎的財政収支の黒字化厳しく
12/31 15:42
弘前・鬼神社がエスビーに分祀
12/31 14:25
07年県経済の回顧と展望/青銀
12/31 13:36
大型店往来、無理な横断後絶たず
12/31 11:43
大間町が弁天島の半分を購入
12/31 10:34
市税滞納者の動産をネット公売へ
12/31 09:03
県が2010年スキー国体を断念
12/31 09:02
大雪・強風、県内年越し大荒れ
12/31 09:01
「日曜朝市」にぎわう/八戸
12/31 08:59
陸奥湾ホタテは過密養殖
12/30 21:59
森が大会新連発/県Jrスプリント
12/30 21:49
八戸港水揚げ数量15万トン割れ
12/30 19:59
県内 年の瀬の市場にぎわう
12/30 18:09
車と衝突、二輪の男性死亡/黒石
12/30 16:38
弘前藩士・西舘孤清の功績再評価
12/30 15:33
雪足りずスキー競技に懸念/大鰐
東奥日報
ニュース速報
メール配信サービス