人工呼吸、心臓マッサージ、AEDなどの応急手当は、経験がなければ、いきなりその場で実践することはできません。患者を救うためには、何よりもまず、多くの人が応急手当の知識と技術をもつことが必要です。
応急手当の技術を得るには、自分で実践して身につけるしかありません。各消防本部・消防署では応急手当の講習会を実施しています。講習は大きく分けて普通救命講習(講習時間 3時間)、上級救命講習(講習時間 8時間)の2種類の講習があり、普通救命講習では主に成人の心肺蘇生法、AED、止血法などを、上級救命講習では成人に加えて乳児・小児の応急手当等も学びます。
応急手当は、一度覚えてしまえば、だれでもできるようになります。応急手当の講習会に参加して、その知識と技術を身につけましょう。
<応急手当のやり方>
●心肺蘇生法
事故等により被害者が心肺停止状態になった場合、そばに居合わせた人は、救急車が来るまでの間、速やかに心肺蘇生措置を行う必要があります。心肺蘇生法は、次の手順で行います。
1.意識を確認する。
2.救急車の要請およびAEDを現場に届けてもらうよう協力を求める。
3.気道確保(空気の通る道をつくる)。

4.呼吸の確認。

5.呼吸がなければ人工呼吸2回。(どうしても人工呼吸を行うことができなければ省略可)

6.心臓マッサージ30回。

上記5、6を2分間(5サイクル)行い、1、4を確認し、状態が変わらなければ5、6をさらに2分間繰り返します。これを救急車が到着するまで繰り返します。
詳しくは消防庁ホームページをご覧ください。
●AEDの使い方
平成16年7月から一般の人でもAEDを使用することができるようになりました。
AEDの操作手順は、すべて機械が音声メッセージを出してガイドしますので、音声メッセージのとおりに行えば一般の人でも簡単に操作ができます。
1.電源を入れる。

2.パッドを貼(は)る。
パッドを貼る場所は、パッドに図で表示されているので、それにしたがって患者に貼り付けましょう。なお、電気を使用しますので、感電防止のために皮膚が濡(ぬ)れていないことを確認しましょう。

3.コネクターを指定された場所に差し込む。 機械が心電図を解析し、心室細動(心臓の痙攣(けいれん))を検出すると、自動的に充電します。
4.放電ボタンを押す。
充電が完了すると、「放電してください」との音声メッセージが流れるので、それにしたがって、放電ボタンを押しましょう。このとき必ず自分と周りの人も離れ、患者に触れないようにしましょう。

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