◇高崎実香さんの夫と義父、医学生らに呼び掛け
大淀町立大淀病院で昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明となり転送先で死亡した五條市の高崎実香さん(当時32歳)の夫晋輔さん(25)と義父憲治さん(53)が28日、京都市内で全国から集まった医学生ら約70人を前に「遺族の声~残された家族の苦しみ~」と題して講演した。
晋輔さんは実香さんを亡くした体験を語り、「良い技術を持つよりも、誰でも優しく診られるお医者さんになってください」と学生らに呼び掛けた。
講演の後、2人と脳神経外科医の山口研一郎さんを交えたディスカッションもあった。晋輔さんは主治医の説明が不十分だったことを訴え、山口医師は「インフォームドコンセントには医師自身が疑問点に気付き、点検する意味もある」と説明した。
参加した弘前大3年、坂口崇さん(26)は「生の声を聞くことで視野が広がった」と話した。【高瀬浩平】
毎日新聞 2007年12月29日