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肥満児 → 2型糖尿病の恐怖
米公立学校から炭酸飲料「撤退」、前大統領主導 (朝日新聞) - goo ニュースについて
クリントン前米大統領が米飲料協会 (American Beverage Association) とかけあって,3日にこの声明(Statement by Susan Neely, American Beverage Association President and CEO Regarding the Partnership with the Alliance for a Healthier Generation on a New School Beverage Policy)を引っ張り出した ことは,非常に意義がある出来事である。
上の写真はこの2月に発売された,日本糖尿病学会 編『'06-07 糖尿病治療ガイド』文光堂 (ISBN:4-8306-1364-5) の表紙です。この冊子は薄っぺらい本ですけど,糖尿病を専門としない医者やコ・メディカルスタッフだけでなく,教育入院を受けた糖尿病患者にも読みやすくできていますので,糖尿病の診断を受けた・危ないかも知れないと思う人にもお勧めで,最新の知見がちりばめられています。(^o^)
# ちなみに,Webページで済ませたいという人には,「糖尿病ネットワーク Diabetes Net.」http://www.dm-net.co.jp/ をお薦めします。ここに登録すると,メルマガが月に2回送られて来ます。(^_^)/
んで,この新聞記事と,クリントンの話と,上の本がどう関係あるんじゃ,と思った人! 特に小さな子供を持つ親の世代に,自覚を持って読んで頂きたい。あなた方はこの連休,子供たちにせがまれて,安易にコンビニやらマクドやらピザ屋で,カロリーの高い食べ物を与えていませんでしたか? その結果,子供たちがぶくぶくと太って,2型糖尿病を発症してしまったら……とまで考えてはいませんでしょうか。すでに子供が肥満児になっていたら,すぐに小児科で糖尿病の検査をさせてみて下さい。放っておくと,大変なことになりますよ(笑)
実は,昔から,1型糖尿病というのは子供に多い病気でした。これは何らかの原因で(恐らくはウイルスがすい臓に感染して)インスリンを産生するランゲルハンス島と呼ばれるすい臓の細胞を破壊してしまい,結果としてインスリンがまったく出なくなって,気が付いたら猛烈な高血糖となり,尿は独特のケトン臭(二日酔いの匂いみたいなもの)と糖分だらだら状態でパンツが汚れまくって,脱水状態になってしまう……。結果として,一生インスリンを射ち続け,合併症を防ぐために体型をやせ型に保たなければならない,という病気です。ところがこの1型糖尿病はなぜか高緯度の地域に多く,日本ではあまり知られていない珍しい病気でした。
# もともと,インスリンの研究も,第一次大戦中,高緯度のヨーロッパで頻発する1型糖尿病の若者たちを無理矢理戦場へ引っ張り出すために,ウシやブタのすい臓をすり潰して注射したら糖尿病が治ったという所から始まっているのです。今ではインスリンは大腸菌(コリーちゃん)を遺伝子操作して,人間の遺伝子を組み込んで,大腸菌さんに作ってもらっているのですけれども。下は超速効型インスリンの箱の写真です。
つまり,日本ではかつては糖尿病になると言うと,暴飲暴食を重ねてきた中年男性や老人が罹る,2型糖尿病がほとんどの「ぜいたく病」だったのです。2型糖尿病は,主に生活習慣,特に肥満によって血糖値が高い状態が何年も持続し,結果として尿に糖が出て保険に入れなかったとか(笑),視力低下や足のしびれなどの自覚症状が出たなどで,ある程度手遅れになってから病院を訪ねて見つかる場合が多いです。最初の血液検査で「ヘモグロビンA1c」(HbA1c)を測定し,この値が 8.0%以上だった場合には,即刻インスリン注射治療を始めるというのが最近の傾向です。要するに,長期間自覚症状が出ない!のが特徴なのですな。
# ヘモグロビンA1c というのは,糖とヘモグロビンが化学結合したもので,血液中のヘモグロビン全体の中の割合を%で出したものです。ヘモグロビンは酸素ともくっつくけど,簡単に離れる性質があります。ところが,ヘモグロビンは一酸化炭素とか青酸とか糖と一度くっつくと,二度と離れません! つまり,ヘモグロビンにとっては糖は毒物と化しまして,当然糖尿病が進行すれば,ヘモグロビンA1c の値が高ければ,酸素とくっつく新鮮なヘモグロビンの割合も減ってきますので,呼吸困難(当然大脳にブドウ糖が行き渡らない)や動脈硬化などの原因ともなって来るという訳っすね。
他にも「75g OGTT」と言って早朝空腹時の血糖値を測定し,そのあとブドウ糖のジュースを飲んでもらって(負荷後)2時間後にさらに血糖値を測定するという古典的な方法もあります。この方法で 1) 早朝空腹時血糖値が 126mg/dL 以上,2) 75g OGTT 負荷後2時間の血糖値が 200mg/dL 以上,3) 随時血糖値 200mg/dL 以上,のいずれか1つが確認されれば「糖尿病型」と診断され,直ちに血液の精密検査(生化学検査)へと送られます。この検査時間はだいたい2時間かかりますので,1日仕事になりますが(臨床検査技師を雇ってない個人医院だと検査を外注に回すので結果は一週間後)。
そうなって来ると,子供の肥満は即,2型糖尿病の早期の発症へと繋がります。米マクド社は1型糖尿病の子供への基金は作っているそうですけど,あいにく自社が作り上げた2型糖尿病の子供への罪滅ぼしはなーんにもしていません(笑) 日本でも中学で給食がない所や,高校の学食なんかに,この手の高カロリーの炭酸飲料の自販機が置かれてたりしますけど,非常に危ないです。特に危ないのが人工甘味料によるダイエット飲料です。ダイエット飲料は他の炭酸飲料よりも「極めて甘い」ため,「甘さに慣れてしまう危険性」が非常に大きいのです。つまり,甘さを断つことが,子供の肥満や2型糖尿病を予防する対策なのですけど,ダイエット飲料はその過激な甘さのためにかえって逆効果になっているという皮肉な結果が見えてくるのです。
ちなみに,共同通信にはコーラの販売全面停止へ 米小中学校、肥満増加で http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/keizai/20060505/20060505a2340.html という記事が出てました。誤解されるとまずいのですけど,アメリカではコカコーラのシェアは少なく,ペプシコーラが圧倒的に強いのです(笑) 日本ではカネボウ食品が以前ライセンス生産してましたけど,今では確かサントリーがペプシコーラをライセンス生産しているはずです。コカコーラのシェアが圧倒的に高いのは日本だけの現象でして,これは非常に興味深い話(笑)
# ちなみにあたしは「脂肪分の少ない牛乳」つまり「低脂肪乳」を消化する酵素を生まれつき持っていないので,これを飲むと確実に下痢します(笑)
さて,若いお父さん,お母さん,自分たち,そして子供たちの食生活や生活習慣を,じっくり見直してみませんか? 文科省の押し付けた「食育」という考え方にも,実は盲点がたくさんあるのですけども,これについてはいずれまた批判をして行こうと思っております。
P.S. 本当は5日に書いたのですけど,アップしてませんでした。
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結局、子どもには、幼い頃から鰹節や昆布や煮干しでとった出しの味を覚えさせて、薄味で育てるのが一番かな。
あの日本の味は、中国・韓国の人にはわからないらしいのです。薄すぎて味がない、といいます。
(こんな時ばかりは、私もナショナリストになりますね。)
よく平気だなーって思いますね.
それから、食べたら運動しなきゃね.
自戒も込めてそう思います。
中国語を学んでいる人ならピンと来ると思いますけど,中国語で「からい」を意味する言葉には,大きく分けて「鹹」(シェン)と「辣」(ラー)があります。
前者の「鹹」が,実は日本語の「からい」つまり「塩辛い」にあたります。だから,中国人も塩辛などは一度お湯にくぐらせて塩分を抜いてから調理に使います。
後者の「辣」は,ラー油の「辣」,つまり「トウガラシ辛い」という意味にあたります。中国人や韓国人にとっては,こちらが「からい」の意味になるんですよ。
大阪の鶴橋で,北朝鮮系のお店のキムチと,韓国(南朝鮮)系のお店のキムチとを食べ比べてみると,「辣」の意味が分かるかと思います。一般的に,北の方が辛くなくて,南の方が辛い。結局,南の方は気候が温暖なのでトウガラシを大量に入れないと保存性が良くない,ということになるのかな。トウガラシに含まれる成分で身体が暖まるとかいう理屈よりも,漬物自体の保存性に「辣」の意味があるんじゃないかと考えています。反対に北の方はどちらかというと塩辛さが残ります。
同様に,中部地方の豆味噌も一見塩辛そうに見えて,意外と塩分は少ないです。寧ろ,西京味噌と呼ばれる,西日本や首都圏で消費されている米味噌の方が塩分が多かったりするんですよ。こうなって来ると,日本人の「からい」という感覚は,かなり主観的なものだなということが分かるかと思います。(^_^)/
# 類似の記事は共同通信が http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/keizai/20060509/20060509a2730.html 「マックと契約延長せず ディズニー、子ども肥満で」という形で載せてますので,asahi.com が閲覧できなくなった時はこちらをご覧下さい。
ちなみに,関西弁では「マック」はパソコン,ハンバーガーは「マクド」と言います(笑)
んで,方言の話題ついでに,前コメントの補足。北東北地方では東北アイヌ語の影響からか,鹹のことを「しょっぱい」と言います。日本海側で魚で作られる醤油,魚醤のことを「しょっつる」と言ったりしますでしょ。人類学者の石毛直道さんや発酵学者の小泉さんの著作に詳しいので,彼らの書いた食い物エッセーを読まれると良いかも。
# しかし,あたしを「反日」と決め付ける,キチガイどもって,ほんまもんのアホでっせ(笑) 一年前に書いた記事の再掲載にしぶとくいちゃもんつけて来る。萱野エカシの記事の続きで,徹底的に反撃してやろうか,それとも無視してやろうか(笑)
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