国土交通省、ユーロコプターEC135、小型双発ヘリに緊急点検を指示(第2報)
2007. 12/11
ー同型機の墜落事故原因調査で後部回転翼のリンク機構に破断発見。国内の同型機、38機全機対象ー
国土交通省航空局は12月11日午後、国内で運航中のユーロコプター、EC135系列型に対し後部回転翼のリンク機構部分を緊急点検するよう命じた。関連の耐空性改善通報が出され同型機を運航する各社は次の飛行開始迄に該当箇所の異常の有無をチェック、安全性を確認しなければ機体の使用は出来ない。同局によると今回の緊急点検命令は12月9日、静岡市内で発生した『オールニッポンヘリコプター』所属のユーロコプターEC135T2型機の墜落事故原因調査で問題の部分の部品に破断が見つかったため。点検対象の機数は国内で合計38機。内訳は事故に巻き込まれた『オールニッポンヘリコプター』所属が7機。その他報道、警察関係を中心に15法人、31機。航空局は航空鉄道事故調査委員会(後藤昇弘委員長)からの事実関係の報告を受けてメーカーのユーロコプター本社(ドイツ連邦)、欧州合同の耐空証明の審査に当る欧州航空安全庁(EASA)へ至急、連絡した。航空局によると。事故機で操縦装置の部品の破断が見つかったのは操縦席の方向操作ペダルと後部回転翼を連結する『テールローター・コントロール系統の後部リンク機構』。コントロール・ロッドと呼ばれる金属製の部品が根元から破断していた。墜落直前、機長は方向維持が困難と会社に連絡、墜落を目撃した現場近くの市民が機体がくるくる回転しながら"きりもみ降下"したのを目撃している。該当部品の破断で機長がペダル操作してもケーブルを介して繋がる後部回転翼の角度調節が全く機能せず、操縦不能に陥ったと見られる。この事故で機長は死亡、同乗の女性整備士は一時、意識不明だった。現在は、回復し、重傷で治療中。