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ユーロヘリEC135型事故関連で各国航空当局が緊急点検指示(第4報)

2007. 12/15
ー同種事故防止で後部回転翼制御部品に耐空性改善命令。日本の航空局も追加点検の指示ー


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[欧州航空安全庁(EASA)が出した緊急・耐空性改善命令の該当箇所(写真で拡大の部分)]


[ワシントン発12月14日=デービッド・ハルスタム]日本で起きたユーロコプター双発小型ヘリ墜落事故に関連して欧州航空安全庁(EASA)、米連邦航空局(FAA)は12月14日迄に同種事故防止のためEC135型機を運航する法人、個人の使用者に対し後部回転翼に関連する制御部品の緊急点検を命じる『耐空性改善命令(AD)』を発出した。発出後5時間以内という緊急度の高い内容で、事故原因がメーカー側にある公算が強まって来た。日本では航空・鉄道事故調査委員会(後藤昇弘委員長)の指摘で国土交通省航空局がいち早く緊急点検を該当機に命じたが今回の欧米当局の指示で追加点検箇所が発生したため新たに『耐空性改善通報(TCD)』を出し、該当する34機に早急なチェックを命じた。今回の国際的規模での措置の契機となったのは12月9日、静岡市内で発生した『オールニッポンヘリコプター』所属EC135T2型機の墜落事故。乗員2人が死傷したが国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会の調べで後部回転翼(テール・ローター)の角度調整で操縦室のペダルと連動する金属製の『コントロール・ロッド』が破断。パイロットが操作しても全く反応せず操縦不能に陥った可能性が濃厚となった。連絡を受けた独のユーロコプター社は全世界のユーザーに該当箇所の緊急点検を要請。これと並行して航空機の耐空性審査に当る欧州航空安全庁(EASA)は法的拘束力を持つ『耐空性改善命令(AD)』に直ちに切り替え関係各国へ連絡。米連邦航空局(FAA)も即刻同調。問題のEC135型双発ヘリコプターについて1)後部回転翼と連結する『後部リンク機構』のコントロール・ロッドの破断の有無と取り付け状況。2)ポール・ピボットと呼ばれる部分の点検。3)AD受領後5時間以内か次の飛行を行う何れか早い段階で実施。4)不具合箇所が発見されたら直ちに部品の取り替えを行うー等を命じる内容となっている。『オールニッポンヘリコプター』には業務上過失致死傷容疑で静岡県警が強制捜査に踏切ったが製造国の監督官庁の対応は運航会社より製造メーカーに問題があるとの判断に傾いている。捜査当局の責任感の強さも理解出来なくはないが"勇み足"ではとの指摘が外国航空関係者に強い。

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[優れた機動性で人気の高いユーロコプターEC135型双発小型ヘリ/写真提供:ユーロコプター]

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