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「時事通信社」所属を僭称する公安調査官

1.「時事通信社」所属を僭称する公安調査官
 「平成17年4月1日現在」の外務省情報公開資料によると、公安調査庁出身の在外公館派遣者に「深谷強」という人物がいる。
 インドのコルカタ総領事館に副領事として、2003年4月1日に配置されている。
 
 http://www.sarkaritel.com/embassy/japan/whoiswho.htm

 この「深谷強」名でグーグル検索すると、以下のページがヒットする。

・スラブ研究センターニュース No.69 季刊 1997年 春号(3)
 http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/jp/news/69/69-6.html
・スラブ研究センターニュース 季刊 2006 年夏号 No.106
 http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/jp/news/106/news106-3.html
・スラブ研究センターニュース 季刊 2007 年春号 No.109
 http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/jp/news/109/news109-4.html

 ここで言う「深谷強(法務省)」は明らかに公安調査官の深谷強である。
 注目すべきなのは、「スラブ研究センターニュース」の1997年春号、2007年春号では所属が法務省なのに、2006年夏号は時事通信社となっている点である。
 このセミナーに時事通信社を名乗っている参加者は当該HP上では他に見当たらない。
 「北海道スラブ研究会」の事務担当者に尋ねてみると、「セミナーには誰でも参加できるが、受付の際に帳簿に名前と所属を書いてもらっている。今確認してみたが、2006年当時の記録には『深谷強、時事通信社』とあるので、HPに転記した際の誤記ではない」とのことであった。
 時事通信札幌支社に尋ねてみると、しかし、深谷強という記者が在籍したことはないという。
 2006年夏ということは、ちょうど深谷がインドから帰任した頃だと考えられる。その頃に時事通信社所属を名乗っていたのである。
 身分詐称もさることながら、もし時事通信社が公安調査庁に記者のカバーを与える便宜を図っているのだとしたら大問題である。
 ちなみに、深谷はおそらくロシア担当者で、インドでロシア情報を収集していたことなどが推測される。

2.「法務省」の公安調査官
 ところで、深谷の経歴から、「スラブ研究センター」の同様セミナーに参加している以下の法務省職員は、いずれも公安調査官であることが類推される。

 小野寺三寛
 坂口昭彦
 佐藤浩文
 渋谷星光
 鈴木大輔
 吉川英寿
 神坂明利

 おそらくこれだけで、北海道公安調査局のロシア担当者のかなりの部分を占めている。
 たとえば、渋谷星光で検索すると、以下の情報がヒットする。

 http://hokkaido.yomiuri.co.jp/31th_satumara/pr/men_30.htm

 名前に特徴があるので同一人であることはほぼ間違いない。
 吉川英寿も同じマラソン大会に参加している。

 http://hokkaido.yomiuri.co.jp/31th_satumara/pr/men_1020.htm

 いずれも、所属は「北公会」となっている。
 「北公会」が「北海道大学公務員勉強会」のことだとしたら、

 http://www.juris.hokudai.ac.jp/hokukoukai/

いずれも北海道大学の出身であることが推定される。
 もし、「北公会」がたとえば「北海道公友会」(「公友」は公安調査庁部内誌の名前)だとしたら、他の「北公会」所属参加者も、全員、公安調査官だということになる。

 ちなみに、一般にこの種のセミナーに「法務省」と名乗って参加しているのは間違いなく公安調査官である。公安調査官は法務事務官なので、所属が「法務省」であるという分には詐称に当たらないという理屈である。

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