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大阪府、2600億円「赤字隠し」 再建団体回避狙う

2007年12月30日06時13分

 大阪府が04年度以降、府債(借金)の返済を一部先送りして3年間で総額約2600億円の資金を捻出(ねんしゅつ)、財政赤字を実態より少なく見せかけていたことが朝日新聞社の調べで分かった。こうした操作をしなければ、府は今年度にも財政再建団体へ転落する恐れがあったが、捻出資金を一般会計に繰り入れることで転落を回避した。事実上の「赤字隠し」とも言える手法だが、府は議会や金融機関、投資家に情報開示していなかった。府幹部は「適切なやり方ではなかった」と説明している。

 大阪府は01年度から、借金返済のために積み立てている減債基金から、毎年度500億〜1000億円程度を一般会計に繰り入れ、赤字を圧縮してきた。この手法については公表していた。

 しかし、04年度以降、10年間の返済期限を迎えた府債が急増。減債基金を取り崩して返済に充てていくと、07年度にも基金が枯渇する恐れがあった。その場合、赤字額を圧縮できずに財政再建団体に転落してしまうため、府は一部の借金の返済先送りを決めた。

 地方債の返済方法については、旧自治省の通知で、10年目に元金の42%を返済し、残りは借り換えることになっている。

 府も02、03年度は適正に返済していたが、04年度以降は13.5〜12.8%しか返していなかった。実際の返済額は、本来返すはずの額よりも総額2597億円少なかったが、府はそうした事実を公表していなかった。

 府幹部は「再建団体に転落しないために、こうした手法を取らざるを得なかった。対外的に説明してこなかったのは事実だが、隠す意図はなかった。適切なやり方だとは思っていないが、違法ではない」と語った。

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