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12/29-12:24--暮れ行く「偽」の年―　来る〝真〟年祈り

　全国的に食品偽装や年金問題で大きく揺れた２００７年。参院選での自民の歴史的大敗や凶悪事件も多発し、猛暑にガソリン高騰とさまざまなことがあったこの１年を象徴する漢字は「偽」だった。岡山県内でも鳥インフルエンザに始まり〝ハニカミ王子誕生〟など、明暗取り混ぜたニュースが相次いだ。０７年の政界は「年金記録漏れ」「政治とカネ」「閣僚の失言」の不祥事３点セットに見舞われ、与党への逆風下で行われた７月の参院選は、自民党がわずか３７議席の大敗。安倍晋三首相（当時）は続投を表明したが、９月に入り突如辞任し政治不信を広げた。食品偽装は、消費期限切れ牛乳を使った不二家を皮切りに、ミートホープの牛肉偽装、「白い恋人」（石屋製菓）の賞味期限延長、「赤福」の製造日偽装、「船場吉兆」の産地・表示偽装など、負の連鎖が続いた。銃による犯罪も多発し、４月には選挙運動中の長崎市長が凶弾に倒れ、佐賀県で入院中の男性が暴力団員に人違いで射殺される事件や、長崎県佐世保市の猟銃乱射事件は記憶に新しい。景気は回復基調が続いたが、原油価格高騰で平均価格が１５０円を突破したガソリンをはじめ、食品などでも値上げラッシュ。家計に大きな打撃を与えた。一方で、サッカー男子と星野仙一監督（倉敷市出身）率いる野球日本代表は北京五輪の出場権を獲得し、Ｊリーグの浦和レッズはアジアチャンピオンズリーグを日本勢で初めて制覇。流行語大賞にも選ばれた「ハニカミ王子」こと石川遼選手が岡山の地でゴルフのツアー史上最年少優勝を果たすなど、明るい話題も多かった。岡山県内に目を転じれば、１月に高梁市内の農場で鳥インフルエンザが発生したが、発生農場と県の素早い対応で１カ月後には終息宣言が出され、全国的にも「モデルケース」として高く評価された。４月の県議選では民主党が躍進。勢いは７月の参院選にもつながり、自民重鎮現職を民主新人が破る岡山選挙区での勝利は「姫の虎退治」として全国的な話題にもなった。８月以降はデンマークの〝本家〟との契約更新断念など迷走する倉敷チボリ公園問題と、岡山市の政令市移行をめぐる協議が県内の主要トピックに。チボリ問題は越年したが、政令市移行は区割りが４区に決定、市議会での推進決議も行われ、無事スケジュールに乗った。年末にはＪＲ岡山駅前に「ビックカメラ」進出などの経済関係の話題も目立った。スポーツ界は明るい話題が相次いだ。１月の全国高校サッカー選手権で作陽高が県勢過去最高の準優勝。倉敷市出身の高橋大輔選手はフィギュアスケート世界選手権で男子初の銀メダルを獲得した。全国高校軟式野球選手権大会で新見高が優勝。Ｊリーグ入りを目指すファジアーノ岡山はＪＦＬ昇格を決め、夢へ一歩近づいた。０８年は岡山空港と瀬戸大橋という県内の２大インフラが２０周年を迎える。県知事選、倉敷市長選などもあり、節目の年を予感させる。「偽」から「真」へ―思いを象徴するかのように車のヘッドライトとテールライトが交錯しながら０７年が暮れて行く。