スポーツは「筋書きのないドラマ」といわれますが、今年はスポーツ面を担当して以来、最も“まさか”の多かった年だったように思います。
始まりは「ハニカミ王子」こと男子ゴルフの石川遼選手でしょう。十五歳のアマチュアがプロツアーで優勝するなど、予想もできない出来事でした。
夏の全国高校野球決勝は、広陵が4―0でリードし、優勝は決まったかと思われた八回裏、佐賀北が満塁ホームランなどで大逆転。佐賀北・百崎敏克監督の「野球の神様が味方してくれた」という言葉が印象的でした。
プロ野球では、日本シリーズの第五戦、八回まで一人の走者も許さなかった中日先発の山井大介投手に完全試合の期待が膨らみましたが、九回は抑えの岩瀬仁紀投手が登板。驚きの“オレ流”さい配は、スポーツ面担当者の間でも賛否両論を呼びました。
Jリーグは、浦和が今月一日の最終節、そこまで三勝しか挙げていなかった最下位・横浜FCに黒星を喫し連覇ならず。大リーグ球宴でランニング本塁打を放ち、MVPを獲得したイチロー選手も忘れられません。
一方で、亀田家や朝青龍騒動、時津風部屋力士の死亡事件、薬物使用問題、病に伏したオシム監督など、あまり歓迎したくない“まさか”もありました。
今年もあと二日、来年はいよいよ五輪イヤーです。真夏の北京で日本勢が、どんな活躍をするのか、前回アテネ五輪で獲得した金メダル十六個を超えることができるのか。どんな「ドラマ」が見られるのか、今から楽しみです。(整理部・白神幹雄)