【北京=尾崎実】中国の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)常務委員会は29日、個人所得税の課税最低限を月額1600元(約2万4000円)から2000元(約3万円)に引き上げる個人所得税法改正案を可決、成立した。来年3月から施行する。
中国では食品などの物価高騰が低中所得者層の生活を直撃。給与所得者の7割が課税対象から外れるという同法の施行で、国民の不満解消につなげたい考えだ。
全人代常務委は、このほか労働争議調停仲裁法も可決。調停手続きの迅速化や仲裁申請の有効期間を大幅に延長することで、来年1月施行の労働契約法とともに、労働者保護を重視する姿勢を改めて鮮明にした。(29日 19:50)