2007年12月29日 19時7分更新
不当な金品の要求などをした暴力団員に対し福岡県警察本部がことし出した「中止命令」は暴力団対策法の施行後最も多くなり警察は取り締まりの強化で資金集めが難しくなり不当な要求が増えているのではないかと見ています。
「中止命令」は指定暴力団の暴力団員が威圧を加えて飲食店に金品を要求するなどした場合に警察が暴力団対策法に基づいて出します。福岡県警によりますとことしに入って今月24日までに出された「中止命令」は159件で、平成4年に法律が施行されて以降最も多くなりました。
理由は▼不当な金品の要求が69件と最も多く、次いで▼暴力団への加入を強要したり脱退を妨害したりする行為が51件となっています。
暴力団への加入の強要や脱退の妨害は対立する暴力団との間で抗争が続いている「道仁会」系の暴力団員が34件に上り、3分の2を占めています。
これについて、福岡県警は「取締りの強化などで末端の暴力団員が資金を集めるのが難しくなり不当な要求が増えているのではないか。また、道仁会では抗争を恐れて脱退しようとする暴力団員への妨害も目立ち勢力を守るために懸命になっているのではないか」と分析しています。