神奈川県警の警備課長を解任された吉田澄雄警視(51)が関与したとされる霊感商法事件で、吉田警視が県警の任意聴取に対し、部下をヒーリングサロン「びびっととうきょう青山サロン」に勧誘した動機について「サロンに金がなかったので勧誘した。多額の金をつぎこませ悪いことをした」と話していることが分かった。
吉田警視は当初、聴取に「部下から体調が悪いと相談され、サロンを紹介した」と金目的の勧誘を否定していた。県警はサロンを経営する杉本明枝社長(44)との関係をさらに捜査する。
これまでの調べでは、吉田警視は部下だった横須賀署の警備担当次長の警視(47)、警部(43)、巡査長(36)の計3人に青山サロンを紹介。このうち機動隊時代の部下だった巡査長は、鑑定料や高額なお守り「ライセンス」の購入などで700万円をサロンに支払っていた。
また、吉田警視は横須賀署の警視に「おまえも誰か悩みを持っている人がいれば誘ってあげればどうか」と持ちかけ、刑事部の事務職員をサロンへ連れてこさせていたという。
サロンを紹介された部下らは、体調が悪い時に吉田警視から声をかけられてサロンに通うようになった。巡査長は「病気で悩んでいた時に『飲みに行こう』と誘われた。悩みを相談するうちにサロンを紹介された」と話しているという。【野口由紀、堀智行】
毎日新聞 2007年12月30日 2時30分