オオカミに近いのが日本犬の誇り
日本犬にとっては、「他の犬よりオオカミに近い」というのが誇りである。おいらの犬は甘ったれの甲斐犬なんだが、誇り高い犬で、人間にはあまり慣れない。噛みつくような事はないが、飼い主のあとを尻尾振ってついてくるわけでもなく、いつも一人で窓の外を眺めて見張りをしている。まぁ、アレだな、それが自分の仕事だと心得ているらしくて、眠っている時間以外はずっと見張り番だ。
むかし、満州に甲斐犬を連れていって満州オオカミと掛け合わせたりした事があったらしい。オオカミというのは、「一匹狼」という言葉で誤解されるんだが、実は家族的な動物であり、家族が群れになって行動する。で、オオカミと犬の違いなんだが、オオカミの方が「臆病」だ。犬のほうが人間には慣れるんだが、オオカミはどうしても慣れず、孤独を好む。で、そんなオオカミの話をオフィスマツナガさんちでやっているようで。
一方、『サイエンス』2004年5月21日号は、米国の研究チームが85種414頭のイヌとオオカミのDNAを比較した結果、シェパードよりも柴犬や秋田犬、チャウチャウの方がオオカミに近いとする論文を掲載しました。
外見がオオカミに似ているシェパードより、柴犬や秋田犬の方がオオカミに近縁なのは、イヌの有力な祖先が東アジアのオオカミだったせいでしょうか。
最新の研究では、日本犬というのは世界で一番、オオカミに近いという事になってるらしい。で、犬の先祖は東アジアのオオカミらしい。日本のオオカミは絶滅してしまったが、日本オオカミの遺伝子は、日本で生まれ育った縄文犬の中に残っている。おいらは、日本犬を縄文犬と弥生犬に分けて考えるわけだ。縄文犬というのは、琉球犬、北海道犬、甲斐犬、川上犬などを言い、弥生犬というのはいわゆる里犬である柴犬だ。ひと頃は弥生犬の選別交配をして口の長い柴犬を作って「縄文柴犬」と称した事があるんだが、おいらの考えでは、そんなのは単なる「口の長い柴犬」だ。というのも、縄文遺跡から見つかる犬の骨格は、柴犬より口が長い。で、琉球、蝦夷、甲斐などの文明が遅れていたところに、縄文の血が残ったというわけだな。
川上犬というのは「古くは猟犬としての勇敢さを保つために、雌犬を山中に留めてニホンオオカミと交配させたという伝承がある」そうで、日本一オオカミに近いというのが誇りの希少種だ。日本全国に300頭しかいない。甲斐犬も珍しいので特別天然記念物に指定されているんだが、川上犬とは非常に近い関係にある。これらは「山犬」と呼ばれていて、日本では犬を縛って飼う風習はなかったので、夏は山中を駆けめぐり、冬になって餌が少なくなると人家の近くに降りてきて、人間から餌を貰っていたわけだ。
で、そんなオオカミで懐かしい話をひとつ。コメント欄で教えて貰ったんだが、伊集院光のサイトなんだけどね。むかしから疑問に思っていたネタを投稿して誰かに教え貰うというモノなんだが、解決の695番。
およそ25年モノの穴です。
子供の頃に読んだ、とても印象に残っている絵本。
それは真っ黒なオオカミが主人公の絵本で、
そのオオカミが色々な場所に行き、
最後に一言「けっ」と捨て台詞を吐いて去っていくという内容でした。
とてもシュールな物語だったので記憶に残っているのですが、
この絵本の題名が思い出せません。
それに対する回答。
これは佐々木マキ先生が書かれた
「やっぱりおおかみ」という絵本だったようです。
最後に一匹だけ残ったオオカミが仲間を探すが、
どこに行っても仲間は見つからず、
「け」と捨て台詞を言って立ち去っていくという作品ですが、
この絵本に読んで「自分は自分なので、
他の人に合わせる必要は無いんだ」と感銘を受けたという人もいました。
それがコレなんだが、
やっぱりおおかみ 価格:¥ 840(税込) 発売日:1977-04 |
発売日が1977年になっているんだが、それはハードカバー判の事であって、実は、その前に「こどものとも」の一冊として雑誌コードで出ているわけだ。Amazonのレビューで出ているんだが、
最初に読んだのは毎月配布されてくる「こどものとも」の一冊として読んだのだから、既に30年前である。当時ワタクシも3歳で、つまり人生で最初の「衝撃の本」だったわけだ。いつもお袋のひざの上で「楽しい」絵本を読んでいたのだが、突然「孤独」がテーマの絵本が出てきたのだから吃驚した。「おおかみ」に同情したワタクシは、「可哀そう、可哀そう」と言いながらボロボロになるまで繰り返し読んでいた。
それから20年後、ハードカバーになったこの本に運命の再開を果たしたとき、ワタクシは「おおかみ」と同じ独りだった。「やっぱりおれはおおかみだからなおおかみとしていきていくしかないんだよな」孤独で行き詰ったとき、帰る場所も無い自分を笑えるためにこの本はいつもワタクシのそばにある。
実家の倉庫で見つけたボロボロになった初版本にはマジックで「ぼくがともだちになってあげます」と書いてあった。
むかし、ガロという雑誌があった。白土三平のカムイ伝を掲載するために作られた雑誌で、ついでにつげ義春とか水木しげるとかのマイナー系の作家も描いていたんだが、経営が悪化して有名どころの作家が離れてしまうという時期があったわけだ。そんな時期を支えたのが、原稿料ナシで描いていた若手漫画家で、赤色エレジーの林静一とか、今は上場企業のオーナーになってしまった古川益三とか、多士済々だった。佐々木マキもその一人で、ガロ以外どこでも掲載してくれないような実験的なマンガを描いていた。その佐々木マキがメジャーデビューというんで、おいらもあわてて買ったもんだが、期待を裏切らない名作で、その後も長く愛され続けているわけだ。オトナのために媚びた絵本というのも多いんだが、この本は、オトナにも子供にも媚びず、孤高のすがすがしさを持っている。あの当時のガロの描き手というのはみんなそうだね。自分のスタイルがあり、時代にも媒体にも媚びない。ホンモノは、日本に1万人しかいない漫画マニアにも、日本中の幼稚園児にも通用するのだ。
で、この本の表紙を見てもわかるように、この本のオオカミは真っ黒なわけだ。ウチの犬もこんな風に真っ黒で、差し尾がフサフサで、顔がオオカミみたいで、孤高の見張り番で、なんだかソックリです。
佐々木マキはガロの時代には無国籍ないい情緒を出してましたね。
その後の絵本の時代も大好きです。
村上春樹とも確か絵本出してたっけ。
投稿 ああ | 2007/12/27 00:09
こんばんは、
ニホンオオカミ、明治時代に、
ジステンバーの流行で絶滅したということになってますけど、
いまでもたまに目撃情報が。
たしかニホンオオカミを探す会もあったと思う。
剥製は、秋に上野の国立科学博物館で観た。
それ以外にも何年か前、
奥多摩のとある町営施設で、
ニホンオオカミの骨とされるものがあった。
秩父の三峰神社は、狛犬ではなく、すべてオオカミ。
あの辺りはオオカミ信仰が強かったようです。
で、オオカミといえば、次は赤頭巾ちゃんネタどぞー♪
投稿 ゆ | 2007/12/27 00:13
たしかwikiで読んだのだと思うけど、
上野動物園で、ニホンオオカミが飼われていたという話がある。
ただし信憑性については「?」で、
はっきりした証拠は残ってないみたい。
誰かこの話、詳しい人いないかな、
投稿 ゆ | 2007/12/27 00:15
>秩父の三峰神社は、狛犬ではなく、すべてオオカミ。
あの辺りはオオカミ信仰が強かったようです。
呪詛に利用された「憑き物」落としに有名ですなぁ~。絶滅した大狼を秩父で発見した!なんてガセもありました。温泉もあるし三峰神社はヨイ神域です。
投稿 もりへー | 2007/12/27 00:23
三峰神社って「狼」ですっけ?
山犬じゃなく?
投稿 んんー | 2007/12/27 00:28
山犬がオオカミなのか「山の犬」なのかと諸説あって、決まってないよ。
投稿 野次馬 | 2007/12/27 00:39
どうでもいいが、「ああ」も、野次馬に連なるサブカル人脈なんだなw
翻訳に文法が必要だって?w
いまどきそんなこと言ってたら、笑われるぞw
投稿 | 2007/12/27 01:02
長井勝一について何か書いてくれ。
投稿 | 2007/12/27 01:15
おいら、会った事があるよ。へたくそな漫画を持ち込みした事がある。もちろん掲載されなかったが。高校生の頃は漫画家を目指していたw
投稿 野次馬 | 2007/12/27 01:17
絵本買ってみますねー
投稿 名無しマヘル神信者 | 2007/12/27 02:59
母親に虐められている子に与える絵本 良いのがあったら 紹介して。
投稿 | 2007/12/27 09:03