地方競馬から身を起こし、実力一本でスターダムにのし上がったオグリキャップ。激動の時代・昭和の終わりに現れた１頭のサラブレッドは、ハイセイコー以来の競馬ブームを巻き起こし、日本の競馬を新たな時代へと導いた。 　天の配剤というべきか。連勝街道をひた走りながら、クラシック登録を持たないばかりに三冠への道が閉ざされていたオグリキャップは、やがて最強の好敵手タマモクロスと出会う。“白い稲妻”と“灰色の怪物”――人気を二分しての芦毛対決は心躍るものだった。両者のずば抜けた能力が、互いを引き立て、輝かせた。 　そのタマモクロスが引退し、旧５歳を迎えたオグリキャップは、不屈の闘志と頑健さで競馬ブームを牽引する。絶望的な位置からバンブーメモリーを差し切ったマイルチャンピオンシップ、そこから連闘で挑み、勝ち馬と同タイムの世界レコードを叩き出したジャパンカップ。限界まで死力を尽くす姿にファンは痺れ、涙した。だが、その年６戦目の有馬記念で力尽きたオグリキャップは５着に敗れ、人気の絶頂にありながら年度代表馬のタイトルを取り逃す。激闘の代償はあまりにも大きかった。 　翌年、オグリキャップはたび重なる脚部不安に苛まれ、秋の天皇賞、ジャパンカップと惨敗を喫す。「オグリは終わった」、そんな風評も聞こえてくるなか、彼は４番人気で生涯最後のゲートに赴いた。第35回有馬記念。多くのファンが逡巡のはてに、オグリという名の夢に賭けた。 「さあ頑張るぞ、オグリキャップ！」 　実況の声に弾かれて、白い馬体が伸びた。朽葉色のターフに燃え盛る“炎”。絶望の淵から、オグリキャップは甦った。スーパーヒーローのラストランは、劇的な勝利で幕を下ろしたのだった。 　爆発的なオグリブームは、くしくもバブル最盛期と一致する。うたかたの時に生きたオグリキャップは、ひたすら走り抜くことで私たちの胸を熱くした。白い炎の記憶は、不滅の真実として、競馬史に刻まれている。 　SPECIAL MOVIE S63 有馬記念 H1 マイルチャンピオンシップ H2 安田記念 H2 有馬記念 オグリキャップ 牡馬 芦毛 昭和60年3月27日生まれ 馬主 近藤俊典氏 ダンシングキャップ 1968　芦毛 Native Dancer 1950　芦毛 Merry Madcap 1962　鹿毛 ホワイトナルビー 1974　芦毛 シルバーシャーク 1963　芦毛 ネヴァーナルビー 1969　黒鹿毛 全成績 通算　公営12戦10勝　中央20戦12勝   年月日 場 レース名 格 距 離 着順 騎 手 タイム 調教師 01 1987.05.19 笠 松 ３歳新馬 ---- D 800 2 青木 達彦 50.1 鷲見 昌勇 02 1987.06.02 笠 松 ３歳イ ---- D 800 1 高橋 一成 51.1 鷲見 昌勇 03 1987.06.15 笠 松 ３歳イ ---- D 800 1 青木 達彦 49.8 鷲見 昌勇 04 1987.07.26 笠 松 ３歳イ ---- D 800 2 高橋 一成 50.3 鷲見 昌勇 05 1987.08.12 笠 松 ３歳イ ---- D 800 1 高橋 一成 49.7 鷲見 昌勇 06 1987.08.30 笠 松 秋風ジュニア ---- D1400 1 安藤 勝己 1.30.3 鷲見 昌勇 07 1987.10.04 笠 松 ジュニアクラウン ---- D1400 1 安藤 勝己 1.29.4 鷲見 昌勇 08 1987.10.14 中 京 中京盃 ---- 1200 1 安藤 勝己 1.10.8 鷲見 昌勇 09 1987.11.04 名古屋 中日スポーツ杯 ---- D1400 1 安藤 勝己 1.29.8 鷲見 昌勇 10 1987.12.07 笠 松 師走特別 ---- D1600 1 安藤 勝己 1.44.4 鷲見 昌勇 11 1987.12.29 笠 松 ジュニアグランプリ ---- D1600 1 安藤 勝己 1.45.0 鷲見 昌勇 12 1988.01.10 笠 松 ゴールドジュニア ---- D1600 1 安藤 勝己 1.41.8 鷲見 昌勇 13 1988.03.06 阪 神 ペガサスＳ GIII 1600 1 河内 洋 1.35.6 瀬戸口 勉 14 1988.03.27 阪 神 毎日杯 GIII 2000 1 河内 洋 2.04.8 瀬戸口 勉 15 1988.05.08 京 都 京都４歳特別 GIII 2000 1 南井 克巳 2.03.6 瀬戸口 勉 16 1988.06.05 東 京 ニュージーランドＴ４歳Ｓ GII 1600 1 河内 洋 1.34.0 瀬戸口 勉 17 1988.07.10 中 京 高松宮杯 GII 2000 1 河内 洋 R1.59.0 瀬戸口 勉 18 1988.10.09 東 京 毎日王冠 GII 1800 1 河内 洋 1.49.2 瀬戸口 勉 19 1988.10.30 東 京 天皇賞(秋) GI 2000 2 河内 洋 1.59.0 瀬戸口 勉 20 1988.11.27 東 京 ジャパンＣ GI 2400 3 河内 洋 2.25.8 瀬戸口 勉 21 1988.12.25 中 山 有馬記念 GI 2500 1 岡部 幸雄 2.33.9 瀬戸口 勉 22 1989.09.17 中 山 オールカマー GIII 2200 1 南井 克巳 R2.12.4 瀬戸口 勉 23 1989.10.08 東 京 毎日王冠 GII 1800 1 南井 克巳 1.46.7 瀬戸口 勉 24 1989.10.29 東 京 天皇賞(秋) GI 2000 2 南井 克巳 1.59.1 瀬戸口 勉 25 1989.11.19 京 都 マイルチャンピオンシップ GI 1600 1 南井 克巳 1.34.6 瀬戸口 勉 26 1989.11.26 東 京 ジャパンＣ GI 2400 2 南井 克巳 2.22.2 瀬戸口 勉 27 1989.12.24 中 山 有馬記念 GI 2500 5 南井 克巳 2.32.5 瀬戸口 勉 28 1990.05.13 東 京 安田記念 GI 1600 1 武 豊 R1.32.4 瀬戸口 勉 29 1990.06.10 阪 神 宝塚記念 GI 2200 2 岡 潤一郎 2.14.6 瀬戸口 勉 30 1990.10.28 東 京 天皇賞(秋) GI 2000 6 増沢 末夫 1.58.9 瀬戸口 勉 31 1990.11.25 東 京 ジャパンＣ GI 2400 11 増沢 末夫 2.24.1 瀬戸口 勉 32 1990.12.23 中 山 有馬記念 GI 2500 1 武 豊 2.34.2 瀬戸口 勉 （年齢は旧表記）	オグリキャップ号　栄光の軌跡 01　サクラローレル 02　シンザン 03　リユウフオーレル 04　タケホープ 05　コレヒデ 06　エルコンドルパサー 07　オートキツ 08　タケシバオー 09　ハイセイコー 10　サクラスターオー 11　メイズイ 12　マヤノトップガン 13　オンスロート 14　コダマ 15　メジロラモーヌ 16　トウショウボーイ 17　ハクチカラ 18　イナリワン 19　カブラヤオー 20　グランドマーチス 21　エアグルーヴ 22　ミスターシービー 23　ホマレボシ 24　ミホノブルボン 25　ウイルデイール 26　テイエムオペラオー 27　マルゼンスキー 28　セイユウ 29　ダイナガリバー 30　オンワードゼア 31　ホウヨウボーイ 32　メジロマックイーン 33　グリーングラス 34　ジャングルポケット 35　シンボリルドルフ 36　アサカオー 37　ヒカリデユール 38　セントライト 39　ビワハヤヒデ 40　タイキシャトル 41　ハクリヨウ 42　トウメイ 43　ナリタブライアン 44　タマモクロス 45　カネミノブ 46　スピードシンボリ 47　オグリキャップ 48　トウカイテイオー 49　キタノカチドキ 50　メイヂヒカリ 51　イシノヒカル 52　テンポイント 当サイトのムービーはMicrosoft Windwos MediaPlayerを使用しております。