借金「おまとめローン」ご注意 詐欺被害5千件2007年12月28日17時58分 大手金融機関の関連会社を装い、多重債務者に対し「借金を一本化する」と融資を持ちかけ、入会金や保証金名目で金をだまし取る「おまとめローン」詐欺の被害が増え始めている。警察庁によると、こうした保証金名目の詐欺は、今年は約5000件発生し、被害総額は約32億円(10月末現在)と高い水準で推移している。詐欺グループは所在を突き止められることを恐れ、だまし取った金の送付先として事務代行業者を利用するなど手口が巧妙化しており、摘発が困難になっている。 複数の貸金業者から計250万円の借金を抱えていた大阪府内の30代女性は、借り入れを一本化しようと、携帯電話のインターネットサイトで知った業者に電話で連絡を取った。「他からの借り入れができなくても、預かり金を入金すれば信用があるとみなして融資する」と言われ、指定された場所に現金50万円を郵送したが、その後連絡がとれなくなった。だまされたと気づいた女性は、11月に大阪府消費生活センターに相談、「教育費に困り、せっぱ詰まっていた」と話したという。 警察庁などによると、「おまとめローン」をかたった手口は以前からある「保証金詐欺」「貸します詐欺」の一種で、「ニコス信販」「みずほファイナンス」などと実在の金融機関の関連会社のように装うことが多いという。 詐欺グループは最近では、だまし取る金の送金先として、引き出し時に証拠が残りやすい銀行口座などへの振り込みではなく、事務代行業者を利用して郵送させるケースが増えているという。関係者によると、被害者からだまし取った現金を事務代行業者に送らせ、さらにバイク便を利用してグループが指定する場所に届けさせて受け取るという。 警察庁の調べで詐欺グループが送付先として指定している場所は6都府県で38カ所あることが判明。大阪市内には4カ所あり、その中の一つの同市西区のマンションの一室には、やはり事務代行業者が入居していた。 詐欺グループが送付先に指定していることについて、責任者とみられる男性は「契約しているのはほとんど個人なので、詐欺グループが顧客にいるとは思わなかった。犯罪には加担していない」と話している。 こうした手口にくわしい「大阪クレジット・サラ金被害者の会」(大阪市)の田中祥晃事務局長は、「事務代行業者を使えば足がつきにくい。不正に口座を開設して振り込ませるより、リスクが少ない」と分析する。 ◇ 〈キーワード〉おまとめローン詐欺 多重債務者に対し「借金を借り換えて一本化し、金利負担を軽くする」と数百万円単位での融資を持ちかけ、入会金や保証金と称して請求し、数万円〜数十万円をだまし取る。ダイレクトメールなどで「超低金利0.7%!」と巧みに勧誘し、多重債務者をさらに追い込む手口として顕在化した。正規の金融機関のおまとめローンと異なり、より低金利をうたって借りやすさを強調するケースが多い。ヤミ金業者が関与しているとの指摘もある。 PR情報この記事の関連情報社会
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