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2007年12月29日

 純白の雪に覆われた白山と立山連峰が青空の下でそろい踏みする写真が、先日の本紙一面を飾った。暖冬気味とはいえ、北陸が雪国であることを実感させる清澄な一枚だったが、どうやらあすあたりから下界にも一級の寒波が押し寄せて来そうな雲行きだ

波状的に大雪が襲い、正月気分そこそこで雪かきに追われた「平成18年豪雪」の悪夢がよぎる。が、今年は金沢で観測史上初の雪なしの一月が十大ニュースに入るほどの暖冬で、雪の怖さに対する体感意識が、あっけなく薄れてしまったことも事実だろう

金沢市では、道路除雪を担う業者が、暖冬で出動機会が少なかった場合、かさむ一方の準備経費の分だけでも、補助してほしいと市に求める嘆き節も聞かれる

もちろん生活する上で雪がないに越したことはない。原油の高騰で灯油代もうなぎ上り。石油ストーブで湯たんぽの湯を沸かし、朝はその湯たんぽの微温湯で食器を洗うという知恵を投書してくる若い主婦も出てきた

「越年」の厳しさを実感しているのは政治家だけではない。せめて山やゲレンデだけ白く染めて去る寒波であってほしいと願うのは虫が良すぎるか。


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