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三和ドレスが大連拠点 県内工場研修生OB活用


 盛岡市と二戸市に工場を持つ三和ドレス(本社東京、大沢孫蔵社長)は、中国・大連市の大連経済技術開発区に同社の100%出資会社「三和服装貿易(大連)有限公司」を設立。三和ドレスの活動拠点として現地スタッフを配置し、▽中国企業との業務提携による介護被服の製造▽中国産綿製品の買い付け▽県産品の輸出−など新規事業に取り組んでいる。

 三和ドレスは、主に国内外の高級婦人服ブランドのフォーマルスーツを受注、生産する縫製メーカー。県内2カ所の工場に、現在従業員175人が勤務する。

 「三和服装貿易(大連)有限公司」は9月、大連経済技術開発区内の民間が所有するビルに開設。現地責任者として、県アパレル協同組合で勤務経験のある中国人女性スタッフ1人が常駐する。

 当面は現地企業の製造したリネンなど綿製品の買い付けと卸売りを中心に展開。今後、三和ドレスの中国人研修生OBが経営する現地工場と業務提携し、三和ドレスが特許取得した介護被服を縫製するほか、県産の農水産物の輸出なども手掛ける予定だ。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)盛岡貿易情報センターと県の「2006年県貿易等実態調査」(有効回答率26%)によると、県内に事業所を持つ企業で中国本土に進出した17社24拠点のうち、100%自社の出資による設立は11拠点。

 三和ドレスは1997年から、県内2工場で約30人の中国人研修生を受け入れた。大連市には元研修生が9人おり、工場を持つ元研修生らとの業務提携や元研修生を新会社に採用することで、高度な技術を持った人材育成を目指す。

 大沢社長は「少子化でどの業界でも人手が足りなくなっている中、中国に拠点を持つことは人材確保につながる。将来的には中国での販売も視野に入れていきたい」と意欲を語る。

(2007.12.28)

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