2007年もあと3日。いやいや、いろいろありましたね。先月のことも思い出せないくらいです。ということで、シチゴ帳が始まった8月下旬以降で恐縮ですが、市民記者の皆さんから投稿された川柳から厳選して、この1年を振り返ってみましょう。
1発目は、選挙やら自殺やら辞任やら、いろいろあった政治から。 ◇ まずは大物の辞任劇。世襲宰相・安倍ちゃんが「僕、辞めるぅ」と言い放ったのには、あなた、日本中がひっくり返りましたよ。しかも理由は「おなかが痛いから」ってんだから、「坊ちゃまに インドの夏は キツすぎた」とやられても黙るしかあるまい。 何を言われても柳に風?(ロイター) 「辞め時と 器を知るは 自分だけ」 「ご入院 政治生命 ご臨終」 首相がアベっちゃあ(=土壇場で逃げ出す)仕方がない。国会はとりあえず休会にして、自民党新総裁選びが始まった。 候補はお父さんキャラの福田さんと、べらんめえの麻生さんの2人だったが、党意は麻生派を除き福田さんで一致団結。面倒くさい憲法改正論は、とりあえずなかったことにした。で、2連発。 「ないはずの 『派閥』がモノ言う 総裁選」 「福田さん 『憲法改正』 見ないふり」 ピンチヒッターということで、閣僚はほとんど安倍内閣から再任されたが、厚労相に舛添さんが指名されたのにはマスコミが喜んだ。眼光も舌鋒も鋭いこの人だから、何かやってくれるに違いない。 案の定、年金記録もれ問題で早速やってくれました。最大のお手柄は、社会保険庁や市町村の担当者による年金のネコババ曝露。 「バレなけりゃ 年金保険 わがサイフ」てか。 でも、バレても「記録は出せない」って抗議文送りつけるどっかの市長もいたよね。 「抗議文 書くヒマあれば 調査せよ」って一蹴されてたけど。もうなんだかね、盗人猛々しいというか、付ける薬がないというか。 社保庁だけじゃなく、防衛省も大変だった。 「天皇」と呼ばれた防衛のドン・守屋武昌前事務次官のスキャンダルだ。この夏、初の女性防衛大臣・小池百合子さんがクビを切ったら、在任中の汚職のウミがドボドボ出てきたのだ。軍需専門商社から妻と一緒にゴルフ、会食の接待受け放題だったっていうんだから、「国防に クライシスなしの 体たらく」。でも、夫婦仲は良かったみたいだよね。「妻を連れ ゴルフ・接待 検察へ」なんて、なかなかです。 ところで、「山田洋行」はそういう名前の人だと思ってた人、いましたよね? ね? 今年勢いがあったのは、7月の参院選で大勝した民主党。政権奪取に向け波に乗ったかに見えたところが11月、小沢党首が「ワシ、やめるぅ」と言いだして、またみんなひっくり返った。辞任の理由は「自民党と連立しようとしたらみんなが反対したから」。何でも影には読売新聞主筆の暗躍があったとか? 「『さる人』の 勧めで連立 サル芝居」 「一国の 総理も黒子に操られ」 「小沢氏の おさわがせ史は終わらない」 結局、小沢抜きでは選挙を戦う自信のない菅さんや鳩山さんが泣きついて、小沢さんは辞意を撤回。「菅ビール 二番絞りを 売り出した」でチャンチャン。まあ、小沢さんもかつてより丸くなったってことなんだよね、多分。しかし、民主党はホントに政権取る気あんのかねぇ。 さて、年末になって急にクローズアップされてきたのが薬害C型肝炎訴訟ですね。患者リストという、被害の拡大を防ぎうる大切な資料があったのに、厚労省の地下倉庫に放り込んで黙ってたっていうんだから、国は分が悪い。 「薬害を 『ヤッカイ』とルビ 地下放置」 「この人生 返してくれるか 厚労省」 悪いのは官僚なんだけど、謝るのは時の大臣なんだよね。まあ、いまどき謝罪会見なんてみんなやってるから平気だろうけど、ダイジンも大変です。でも、謝るのが嫌いなプライドの高い学生さんは国家公務員になりましょうね。 裁判所の和解案では埒(らち)があかないと見た原告・弁護団は、一点突破、福田首相に政治決断を迫った。ギリギリの折衝の末、ついに首相が頭を下げ「全員・一律救済する」と約束。「悲痛なる 原告の叫び 天に届く」かに見られた……けど、その中身はちょっと疑問符。「一律は 言葉はいいが 公平か」。この難題は2008年に持ち越しそうだ。 さて、ピンチヒッターに立った福田さんは、「困ったら なるべく全力 善処する」の黄金律に則って、なかなかしたたかに政局運営していらっしゃいます。 「テッペンに 登れば公約 ど忘れし」 「支持率は 言ったのかなぁが 潮目かな」 なんて声もあるけれど柳に風。公約なんて大したことない、って豪語するくらいの方が人間長持ちするからね。 都合の悪いことは旧年とともに忘れ、明日の風を夢見るのが一番。人生いろいろ、新年も適当に生きましょう。 ◇ 「シチゴ帳で年末回顧」、明日30日は「スポーツ編」です。
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