◇消費者のレベルアップで監視を
今年の漢字に「偽」が選ばれたほど食品偽装が相次ぎました。老舗料亭や有名土産菓子だけでなく、対岸の香川県では給食用の牛肉を国産と偽って外国産を使っていたことが判明する始末。子どもたちにも食品偽装について教えなければならないのでしょうか。県内では今のところ、全国的な事件は発生していませんが、気は抜けません▲消費者側の食の安全意識が高まる一方、のど元過ぎれば何とやら、偽装事件は相も変わらず続いています。「どうせ消費者にばれない」とたかをくくっているのかもしれません。JAS法や食品衛生法では、賞味期限や消費期限を各メーカーで決めることができると定められているのですが、「本当に大丈夫?」と首をひねってしまいます。しかし、疑うためにも知識が必要です▲県は10月下旬、全国でも珍しい自治体が主催する「食の検定」を実施しました。岡山の食文化だけでなく、食育や関連法規についても出題しています。更に今月18日、内閣府食品安全委員会と合同で「食品の安全性に関する地域の指導者育成講座」を開催しました。講座自体は全国で開かれていますが、栄養委員など関係者が参加している他県と違い、岡山では食の検定の上位合格者を中心に参加者を募り、人材のすそ野を広げようとしています。残念ではありますが、売る側の良心が期待できない以上、「賢い」消費者となって不良業者を監視するしか手はなさそうです。【植田憲尚】
毎日新聞 2007年12月28日