血圧が上80、下40を記録したこともある私は朝がめっぽう弱い。支局での宿直明けは、緊張感からか決められた午前6時半には起きられる。新聞やニュースをチェックして……問題はそこからだ。
一通りの業務をこなすと緊張の糸が緩み、視界がぼんやり。どこであれ座った瞬間、心地よい夢の世界へ誘われる。入社3年目にしてまだ体が慣れない。だが、そんな状態で人の命を預かって働く人たちがいた。
取材した産婦人科医(60)は、医師不足のため、週1回の当直明け後、そのまま日中勤務に入る。患者の容体はいつ変化するか分からず、緊張は途切れることがない。小児科や外科などでも同じ状況だという。
12日公示の参院選挙は医師の増員を本気で訴える人にしようと、いつになく具体的に投票先を考えた。だが、5月に引っ越してきた私には埼玉選挙区の投票権がない。すごく損をした気分になった。【稲田佳代】
毎日新聞 2007年7月11日