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高畠高生自殺で第三者委設置

2007年12月26日

∞知事「かなり厳しい」

 遺族は反発、解明求める

 県立高畠高校2年の渋谷美穂さん(当時16)が昨年11月、飛び降り自殺した問題で、斎藤弘知事は25日の定例会見で、美穂さんの父、登喜男さん(55)が求めている第三者委員会を設置しての原因究明について「かなり厳しい」との見方を示した。遺族は「問題を早く終わらせたいということだ」と反発している。

 この問題では、県教育委員会が3月に「いじめは確認できなかった」との調査結果を公表。遺族は「皆が言った暴言痛かった、いつも泣きたかった」などと記された遺書の一部を公開し、法的な権限を持つ第三者委員会の設置を求めていた。

 また、人権侵犯の有無を調べていた山形地方法務局は21日、県教委と同じく「いじめは確認できなかった」との結果を遺族や県教委に伝え、高畠高校には口頭で再発防止を促した。

 斎藤知事は会見で「強制力を持った第三者委員会を設置できるかどうか、かなり客観情勢として厳しいものがある」と語った。今後の対応は「遺族が納得できるよう誠心誠意努めて参りたい」とした。

 渋谷さんはこの日、朝日新聞の取材に応じ、法務局の調査について「県教委の資料を検討しただけではないのか。これでは娘は勘違いして死んだことになる」と語った。斎藤知事の発言には「この問題を早く終わらせたいということだろう。第三者委員会での事実解明を求める考えに変わりはない」と話した。

 また渋谷さんは同日、遺書の内容を「偏った見方としか言えない」とした高畠高校への抗議文を公表した。「根拠の見えないものと決めつけるのは娘に対する冒涜(ぼう・とく)に等しい」として、発言の撤回を求めている。

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