第49回 「死闘川中島」 12月9日放送
不思議な老婆・おふく(緑魔子)から明日、川中島に深い霧が出ると聞いた勘助(内野聖陽)は遂に動く時と判断した。全軍を二手に分け、一万二千の別働隊が、上杉軍が布陣する妻女山を背後から襲う。信玄(市川亀治郎)の率いる八千の本隊は麓で待ち構え、追い落とされた敵を別働隊とともに挟み討つ。これが勘助が立てた「啄木鳥(きつつき)の戦法」だった。
しかし、その策は宇佐美(緒形拳)に見抜かれていた。しかも、宇佐美は明日、霧が出るという情報を同じようにおふくから得ていた。武田の籠もる海津城に飯炊きの煙が上がるのを見た政虎(Gackt:ガクト)は敵が動くと確信する。深い霧の中、異変に気づいたのは武田の別働隊だった。奇襲のつもりで攻め入った妻女山がもぬけの殻だったのだ。
朝を迎え、霧が晴れ始めた川中島で勘助は前方に信じられないものを見た。それは「車懸かりの戦法」で武田陣に殺到する上杉軍一万三千だった。武田軍が勝つ道はただ一つ。別働隊が駆けつけるまで上杉軍の攻撃を防ぎきるしかなかった。しかし、戦国最強の越後勢の勢いは凄まじく、乱戦の中、信玄の弟・信繁(嘉島典俊)と重臣・諸角(加藤武)が討ち取られた。武田軍崩壊の危機はいまや間近に迫っていた。
|